139 安倍公房と清少納言と

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 代表作の「砂の女」よりも気に入ったのは「けものたちは故郷を目指す」です。  軍国主義を背景に拡大政策をとっていた日本は大陸の満州に日本人を入植させていたものの、敗戦で一転。  過酷な逃避行を強いられた入植者たちの現実が物語の背景。  自伝的要素がある「けものたちは故郷を目指す」は「青年の満州引き上げ」の奮闘記。 もともと満州には興味がありましたので、極限状態で日本を目指す青年の行動と、彼にからむ詐欺師でスパイの言動は読みごたえ充分です。  意外に面白かったのは(失礼💦)「箱男」  実は「あまりに独創的な傑作すぎてついていけないのではないか?」と不安で手が出せなかったのです。  映画は未視聴ですが、きっと唯一無二の傑作でしょう。いつか目にするのが楽しみです。
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