139 安倍公房と清少納言と

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 長々とタイトルの「清少納言」と乖離した文章を失礼しました。m(__)m  ここでやっと「カンガルー・ノート」に触れたいと思います。  まず一読して笑えます。  もっとも、この作品は安倍公房が自身の入院生活を諧謔的ファンタジーに仕立てたようです。  闘病中の、心理的、肉体的な辛さや苦しさを一切書かず、医療関係者への不満も愚痴もありません。  そういう個人的な苦痛を書くことに一種の「照れくささ」があったのか、あるいは一つの作品の中に悪感情の「毒」を吐き出すのは作品をぶち壊しにする、と判断したのかもしれません……。
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