139 安倍公房と清少納言と

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 ところが周知のように「枕草子」には一条帝と定子の仲睦まじさや、定子のサロンがいかに華麗で明るかったかが雅な筆でつづられているわけです。  とある研究者は「枕草子は定子の遺児である敦康親王を東宮(皇太子・次の帝)にするための気品ある政治的な圧力」という意見をお持ちでした。(by『英雄たちの選択 秘められたメッセージ 清少納言 枕草子の真実』)  人生でもっとも精神的に辛い時期、一切の悪感情(毒)を吐かずに傑作を描きつくした……ところに安倍公房と清少納言の共通点を見つけた思いがしたわけです。  逆に、人目につくであろう文章に「毒」を吐いた人物がいます。
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