68 明治の女流作家 田沢稲船

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 もっとも、十四歳で入り婿をとらされ、家を継ぐことを宿命づけられました。十五歳で離縁すると、再び別の男性を入り婿としてあてがわれ……。  東北の明治時代です。鶴岡が豊かな土地だったとしても現代では考えられないほど、「子は親に従え! 女ならばなおさら!」という強権的な家風だったのでしょう。  習作「鏡花禄」には「どうしても一生夫をもたずに独立しようとかたく心に誓った」「何か一つ、一生食べていくだけのわざを身に着けなければ」と記してあるそうです。
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