2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
良成はその場に腰を下ろし、背後の壁に体を預けた。
白い壁に後頭部をくっつけながら、彼は彼女に尋ねた。
「最近、キレイになった?」
「ええ、ヤダそんな……」
照れくさそうな声。
実際、彼女は目を伏せて恥ずかし気にしている。
「何ていうかな、艶めかしさが出てきたというのかな」
「何かエロいこと言ってます?」
「だって、こんなに魅力的な肌を見て、エロい気持ちにならない男なんている?」
「そんなの……知りません」
ちょっと起こったような口調。
唇を尖らせ、拗ねたような表情を見せる彼女が、良成はたまらなく可愛く思えた。掌でスッとなでると、くすぐったそうに身を捩る。
「く……くすぐったいです」
「ははは、ごめんごめん。でも、ほんとにキレイだよ」
「ありがとうございます。でも、私がキレイになったんだとしたら、それは良成さんのお陰ですよ」
彼女の言葉に、良成は少し微笑んで小さく首を左右に振った。
最初のコメントを投稿しよう!