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「あ、Mi scusi .(ごめん)」  グランドピアノの譜面台の向こうに立っていた筈のレオンは咲希の直ぐ隣にいた。鳶色の瞳が優しく覗き込む。 「テアティーナ教会?」  咲希はハッとレオンを見た。 「やっぱりな。さっき車の中で気になる事言ってたもんな」 「うん……」  窓の外に視線を向けた咲希にレオンは肩を竦めため息を吐いた。 「咲希」 「え、ーー?」  強い力で腕を引かれ、あっという間に抱き締められていた。  小柄な咲希の身体はレオンの腕の中にすっぽり納まり、身動きが取れなくなる。 「え、レ、レオン⁈ ちょ」 「離さないよ」
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