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 そうですか、という一見感慨深げな声が聞こえてきた。 「あの曲集を、新婚の咲希にオファーしたわけですね」  柔らかで静かな声だったが、何処となく寂しげで胸が詰まった。  あああ、マズった。何故、私の口から……。  くるみは改めて咲希の天然を呪う。  話しておいてよぉ。  怒ってると思ったけれど、悲しんでいるのかもしれない。  溺愛されてる人の天然は罪だ、とくるみは思った。 「と、とりあえず、全てが事後承諾になんてならないように、咲希さんと話し合うのが大事です! 咲希さんは万事あんな調子で、決して隠したりしている訳じゃなくて、本物の天然なんです」
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