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 何もかもを分かってらっしゃるような本物の大人に、私のようなヒヨっ子が何を喋っているのだろう。  話せば話すほどドツボにハマる事が分かり、生意気すみません、と言葉を締めた。  耳に、クスリという笑い声が滑らかに滑り込んだ。 「ありがとう、佐橋さん。お気持ち充分伝わってます。咲希は、素晴らしいマネージャーさんに感謝しなければいけない」  玲が話せばどんな言葉も人の心に素直に響く。 「いえ、とんでもないです。私なんてまだまだ」  謙遜しながらも、嬉しさが幸せな気持ちを連れてくる。  うん、頑張ろう。  くるみは心の中でガッツポーズをした。
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