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「サキの顔を見たから今夜はよく眠れそうだよ」
「そう言う台詞は恋人に言ってあげなさい」
「え、オレ達はamoreじゃなかった?」
「じゃないですね、確実に」
咲希は左手をかざして結婚指輪を見せる。
「なんだよ~、そこは乗ってくれよ~。オレは昔っから咲希がこんなに好きなのに」
全く、と咲希は苦笑いと共にため息を吐く。
イタリア人気質に加え、テノール歌手となると、もはや付ける薬はない。
まあいっか、と咲希はスマートフォン画面に少し身を乗り出す。
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