101人が本棚に入れています
本棚に追加
「Grazie mille. (どうも有難う)。社交辞令でも嬉しいよ。レオンと一緒に音楽作れる事は素直に嬉しいから。しかも、私にとって大切な思い出と思い入れがあるミルテ」
「なんだ、既に恋人との思い出があるとか?」
「内緒」
「なんだよ、マジで咲希はツレない」
「ツレなくて結構」
咲希がフフフと笑い、画面の中のレオンもハハハと笑った。
「レオンのあの素敵な歌声にピアノを乗せられるなんて、ピアニスト冥利に尽きるね」
「いや、本当なら、咲希はソリストだからね。伴奏させるなんて失礼かもしれない」
今し方軽口を叩いていたレオンの声が真剣味を帯びた。
最初のコメントを投稿しよう!