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「Grazie mille. (どうも有難う)。社交辞令でも嬉しいよ。レオンと一緒に音楽作れる事は素直に嬉しいから。しかも、私にとって大切な思い出と思い入れがあるミルテ」 「なんだ、既に恋人との思い出があるとか?」 「内緒」 「なんだよ、マジで咲希はツレない」 「ツレなくて結構」  咲希がフフフと笑い、画面の中のレオンもハハハと笑った。 「レオンのあの素敵な歌声にピアノを乗せられるなんて、ピアニスト冥利に尽きるね」 「いや、本当なら、咲希はソリストだからね。伴奏させるなんて失礼かもしれない」  今し方軽口を叩いていたレオンの声が真剣味を帯びた。
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