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「けど、ドイツリートは、ピアノは脇役じゃないからね。だから、これを選んだ。咲希のピアノの音が欲しかったから」
私達は、音楽で繋がっている。
うん、と微笑み答えた咲希を画面越しに見つめるレオンの瞳に少し熱が上がる。
「咲希」
「ん? 何、改まって」
真っすぐに見つめる、眉との間が狭い目が、真剣に咲希を見入っていた。
「あのさ、咲希のMarito(夫)は、咲希の生命の源とも言えるものをちゃんと理解してる?」
え、と咲希は目を丸くした。
玲君が、音楽を理解している、って事?
「してるよ。音楽を愛してる人、音楽を愛でる事を知っている人だもの。私よりも知っているかもーー」
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