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「では、今回の話は佐橋さんが持って来られたのではなく、先方から咲希に〝熱烈な〟オファーがあった、という事ですね」
「はい、そうなんです」
大手レコード会社のクラシック部門で営業、マネジメントを担当する佐橋くるみはスマートフォンを耳に当て苦笑いする。
相手は、くるみがマネジメントを担当するピアニスト、春樹咲希の夫、手塚玲だ。
手塚さん、もしかして怒ってらっしゃる?
「咲希は、この件は即?」
「はい。何しろ、幼なじみだったとかで……」
電話の向こうがツンドラ気候になった、多分。
「あ、あのですね」
うわぁ、めんどくさい事になりそうです、咲希さん!
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