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小学生の時から出場していた大きなコンクールの全国大会で、毎年会う少年がいた。
レオン時任。
咲希とレオンはいつも優勝と準優勝を競い、いつしか大切なライバルとなり、毎年会うのが楽しみとなっていた。
『僕らは織姫と彦星』
中学生になった頃、笑いながら話したレオンにドキンとしたのは、今思えば初恋の始まりだったのかもしれない。
イタリア人と日本人のハーフだったから、幼い頃からドキドキさせるセリフを呼吸をするように言えたのだろう、と咲希は思い出す。
「織姫と彦星、か」
ピアノの前に座り、譜面台の楽譜を眺めてフフと笑ってしまった。
シューマン作曲。
歌曲集『ミルテの花』。
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