野獣おじさんは枯れていなかった

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「や、やっぱり仕切り直しというわけには……」 「ここでのお預けは堪えるな」 「ですよね……」  好きにされたいとか散々煽って、脅して、それでも誠一郎さんは気遣ってくれたのに、私が望んだからここまでしてくれた。それを私は今なかったことにしたがってる。いや、先送りにしたいだけなんだけど……  結局、私は最初から自分のことしか考えてなかった。誠一郎さんはきっと全部わかった上でここまで丁寧に愛撫してくれたのに。 「ここまで解したんだから野獣らしく襲いかかってみるか?」 「うっ……」  少しばかり乱暴に奪われたいとか思っていたのに、完全に怖じ気付いた私の頭を誠一郎さんが「大丈夫だ」って撫でてくれる。泣きたくなるぐらい優しい。 「すぐには挿れない。君を傷付けたりはしない」 「あっ……」  覆い被さられると思わず体が竦んでしまう。誠一郎さんが怖いわけじゃないし、優しい言葉をかけてくれるけど、絶対痛いやつ……! 「俺だって君がほしい。早く俺のモノにして実感したい」 「ひ、ぁっ……!」  ひたりと頬に手が触れて、あそこにも塊が触れる。どっちも熱い。火傷しそうなくらい。  嫌じゃない、でも、怖い。お腹の奥が欲しがるけど、それ、入り口通るの……? 先の方が太くなってるのに?
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