最終話 マイホームの主人は発情期

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理はそう言って、2人が見ているのにも拘らず、私の唇を塞いだ。 「あーーあ。なんか、エロさが進行してないか?」 「うん。普通退行するんだけどね。倍増してるよね。やだやだ。私達は勝手に荷物解いてまーす」 そう言って2人は階段を上がって段ボールに入った荷物を探しにいった。私は理に向き直り、 「もう!馬鹿!」 と言って理の腕をパシリと叩くと、理はニヤリと笑った。 「いいんだよ。あいつらはね。空気読んでくれるから」 「理が空気読んで」 「えぇ?!さっきの続きは…」 「しません!」 私はリビングに入りながらそう言うと、理はつまらなそうに私の後をついてきて、「うううっ、またかよぉ」と半泣きになっていた。私は振り向いて理の顔を見上げると、 「じゃ、今夜も楽しみにしてる」 と言って背伸びをして唇を重ねた。理は嬉しそうに微笑んで、そんな私の腰に腕を回すと、 「まったく。お前には敵わない」 と言って、理も私の唇を押し戻すように唇を重ねてきて、私達は抱きしめ合っていた。 二階から美夜たちの呼ぶ声が聞こえるけど、私も理も、今は少し、聞こえないフリ。 結局新しい家に来て、新しいスタートを切ったけれど、私達は何にも変わらないんだ。 私と理の欲望は、誰にも止められないの。 それは、まだまだ、これからもずっと続いていく。 理がそばにいてくれる限り…。 完
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