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「何歳? かっこいい? イケメン?」
やや投げやりに私がそう言うと、母が困った顔をした。そんなに不細工なんだろうか。
「それがねぇ! びっくりする位のイケメンなのよ!」
その質問を待ってましたとばかりに、母が写真と釣り書を出してくる。なんだ、お見合いに反対なんじゃなかったのか。
「こんな義理の息子が欲しいわ」と言いながら母が開いたお見合い写真には、凛とした美形が写っていた。眉目秀麗とはこの人の為にある言葉だと思う。
綺麗に整えられた眉に、女遊びしてそうだなという不安を覚えたが、切れ長の黒い瞳と、写真の中で少し微笑む形の良い唇は、アルカイックスマイルをたたえる仏像のようだった。
やばい……かなり顔がいい。
これは、少々のことは許してしまうレベルのかっこよさでは?
実は愛人がいて、あなたは二番目ですって言われても「はい! 二番目でもいいから愛してください!」と言っちゃうレベルでは?
ただ、釣り書のプロフィールを見て私はおののいた。
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