生徒会と彼

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「準備できました、どうぞ」 「ありがとう。 お前は、やっぱり此処で食べないのか?」 「私は学食にまいりますので」 「…………そうか」 同性で同級で学校でも家でも 四六時中一緒にいるのだから それなりに仲が良くて、互の事を ある程度知っていても本来おかしくない 関係なのかもしれない。 だが、実際僕らの関係はとても異質だ。 禅図は無口で、言われたことだけしか答えない。 彼の過去も、今何を考えているのかも 僕には分からない。 周りにはおろか僕にも心を許そうとはせず、 それは余計な事を詮索するなと言わんばかりの 徹底ぶりだった。 再び部屋の扉がノックされた。 「今、一人か?」 竜胆の声。 「いや、禅図がいる」 「じゃ入るな」 ガチャガチャと鍵の回る音がした瞬間、 禅図が素早く扉へと向かって開くのを阻止した。 「え?は?何で開かないんだよ」 「千迅様」 「あ」 禅図は僕が眼鏡を掛けたのを確認すると 漸くその場を退き急に抵抗がなくなった竜胆が バランスを崩し部屋に倒れこむように入って来た。 「な、何だ?一体」 竜胆が怪訝気味ですぐ傍に立つ禅図に 視線を向けたかと思うと僕を見て、 ああ、そういうことかと呟いた。
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