生徒会と彼

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「歪んでるぞ、ちゃんと掛けろ。 お前にとって伊達とはいえ こっちにとっては洒落にならん」 「…………悪い」 「紅螺蒔、コイツがいるからって油断するなよ」 僕はそれに答えず、 わざとらしく話を逸らした。 「昼は済ませたのか?」 「ああ」 「柊木は?」 「アイツの大食いには付き合いきれん、 小さい体でよく食う。 見ているだけでこっちが腹一杯になる」 つい、チラリと入口の傍に立っている 禅図に目を遣るとそれに気付いた竜胆が 珍しく苦笑いをした。 「まぁ、待てって。じき来る。 それに……執事君も自分のメシより、 ご主人様の方が優先順位が遥かに上だとさ。 何により“会長と二人きりは禁忌”だし」 からかい口調で禅図に差し向けられた その軽口は無視という形で流された。 「相変わらず、可愛くねーな」 それも又そっぽを向いたままの無反応。 「……ところでモニターの調子はどうだ?」 竜胆も反応がない禅図を相手にするのが 馬鹿馬鹿しくなったようで改めて 僕の方に体を向き直した。 「良くも悪くも、かな」 「それでいい」 「それ以外でも気になることが あれば言えよ」 「はい、ありがとうございます」 「紅螺蒔」 「え?」 「俺達はいま同級生、の筈だが?」 「……悪い」
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