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大袈裟に騒ぎ出す柊木の襟首を掴み、
チッと舌打ちをしながら
ズルズルと扉の方へ引きずって行く。
「分かってる。騒ぐな、ガキか」
「あ~~~ん、紅螺蒔先輩~~っ!」
「そんなに此処で授業を受けたければ、
生徒会長になるんだな」
「あ、そっか。
って、それじゃ先輩と一緒に
受けれないじゃないですか!?」
「ふーん、お前でも気付くんだな。
どっちにしろ無理だってこと」
「どこまでボクのこと
馬鹿だって思ってるんですか??」
うわーん、と再び泣き出した柊木に
苦笑が漏れた。
「ホント面倒見がいいな」
「好きでやってるわけじゃない」
腹立たしげに吐き捨てる竜胆に
また笑いそうになったが、
俺までそのとばっちりが来そうに思えて
我慢することにした。
「行くぞ、柊木」
「は、は~~~い、じゃまた昼休みに
絶対来ますから!!会長」
「ハイハイ、お疲れ様、二人共」
扉が閉まって二人が走っていく足音を
耳にしながら僕は声を出して笑った。
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