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「で、何でここに来たの?」
「俺、この満天の星空を見て沢山の星の中で一番光る星を見つけて、いつかあの星の様に一番光輝いてやると決めていた。簡単な事じゃない位わかってる、辛いと思う、だからここでお袋に誓ってしまえば後戻り出来なくなる。俺は今まで一度もお袋に嘘をついた事ないから」
美智代は勇斗が今まで聞いた事のないトーンで見た事の無い横顔で勇斗の本気さが伝わって来た。
「やってみたら?覚悟を決めてるならやりなさい。そんな事思いながら毎日過ごしたって楽しくないでしょ?やってみなさい」
「えっ?」
今度は勇斗が聞き返した。
笑い飛ばされるか、怒られるか、それなりの言葉も用意していた。
「でも、そしたら家を出なきゃならないよ?お袋一人だよ?」
「あの一番光る星になったら豪邸に住まわせてもらうから大丈夫!」
とっさに出た言葉に美智代自身も驚いた。でもいつか一人になる事位の覚悟は持っていた。
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