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衝球暦831年。巨蟹月某日。ナソワ村にて。
稀有なものを見た。しかし、その詳細についてはここに書き記すべきではないだろう。おのれの胸の裡にだけとどめておくことにする。
しかし、この村では夜、星が啼くという噂はほんとうであった。驚くべきことだ。逗留は今宵ばかりなので、よりふかく研究したくとも今は時間がない。また訪れることがあれば……
それが無理ならば、私亡き後でも構わない。これを読んだ者が、この不可思議を解明してくれることを、切に願う。
リト=タルムアン著『捜奇怪星見聞録』より抜粋
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