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部活では、天体望遠鏡の使い方から学んだ。
設置から操作方法、注意点を学ぶが、実際にというのは難しかった。
「見えないか」
ある日、夜の街へと踏み出して星がよく見えるという場所へ行くこととなった。
「奈月ちゃんはわたしが迎えに行くから安心して」
夜の街。それだけで私は抵抗を感じていた。
そこで、何かあるといけないと事情を知っている先輩は私を迎えに来てくれると言ってくれました。
「見えません……何も……」
私の事情を知らない人たちには聞こえないように小さい声で私と先輩は会話する。
歩いてるだけでも、立っているだけでも、見えているようで時々なにも見えなくなる。
そして何度も望遠鏡を覗くが見えることはない。
今度は、夜景に挑戦してみた。
この場所というのは、学校から徒歩20分の距離に位置して、夜になると街の灯りが白や黄色だけでなく様々な色が混ざり合う。そして満点に広がる星空ということで少し有名な観光スポットとなっている。
カメラを覗いてもやはり真っ暗。
「そうだな……、この辺とか」
位置は先輩がカメラを動かして教えてくれる。あとは手がブレないように注意しながら一枚撮ってみる。
「あ、もうちょい右だったらよかったか。でも最初はこんなもんでしょ」
先輩は私の背中を叩く。
もう少し右といっても、最初は〜と言われても全くわからない。
そうして、サークルのみんなとしては楽しい時間、私にとっては何も変われなかった時間が終わりを告げ、全員帰ることとなった。
が、その帰り道のことだった……。
「奈月ちゃん!?」
「おい!大丈夫か!!」
神様は突然に……。
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