七月の季節

レシート

　オレが今からやろうとしていることは、オレしか知らない――。

　オレが今からしようとしていることは全世界に影響を与えるだろう。誰もが気が付きそうなのに、みんな気が付いていない。誰にでもできそうな簡単なことなのに。

　とても、とても、すごいこと。だから誰にもバレてはいけない。でも、最近それが脅かされている。

　このレシートによって。

　やろうとしてることに必要なものはそこら辺で買うことができる。けれど、沢山のものを買わなければいけない。

　一度にたくさん買うと怪しまれるので、何度も買いに行かなければいけなくて、その度にレシートを渡される。

　その場で捨てればいいのかもしれなけれど、すべて財布の中にしまってしまう。もしも誰かが集めてしまったらと考える。家で捨てようとしてもしても、誰かがゴミを持って帰ってしまったら……。

　色々な捨て方があるけれど、どの捨て方をしてもやろうとしていることがバレる気がしてしかたがない。

　たった1枚捨てるだけで、バレてしまう気がする。気が付けば財布の中だけでなく、段ボール箱の中にもレシートが溜まっていく。するとその隙間から見られている気がするんだ。

　ほらまた、レシートが増えた。
　そしてオレを告発しようとしている。オレの秘密をバラそうとしてる。レシートが、レシートがオレを監視してる……。

　計画を、行動を、生活を……レシートが！！！！