ルイス・フロイスと只野

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ルイス・フロイスと只野

「殿、宣教師が来て居ります」 光秀が宣教師が来てると報告してきた。 宣教師?多分ルイス・フロイスだろうな。 ポルトガルの宣教師だが、イスパニアに属して居て、スペインは敵だ。 「取り敢えず会おう」 評定の間にルイス・フロイスが頭を下げて俺を待って居る。 俺は上座に座ってルイス・フロイスに頭を上げよと伝える。 「只野様には布教の許可を貰いに来ました」 いきなりだな。 「ほう、布教とは我が日の本の民を連れ去る事では無いのか?」 お前らが布教とそうして民達を奴隷として連れ去って居るのは分かって居るのだぞ。 「彼等は敬遠な信者です」 ほう、あくまでしらを切るか。 「フロイス殿、このような品をどう思う?」 俺は只野製、ワインやチーズ等をルイス・フロイスに食べさせた。 「これは…我が国より味が…」 「ワインには旅をさせるな」 俺はそう言う。 ワインは作った場所で保管して味を馴染ませないと行けない。 「こう言うのもある」 俺は自分の腕時計と地球儀を持って来させた。 「此れは…」 その出来にルイス・フロイスは言葉を失う。 「貴殿の南蛮の技術や南蛮の品は只野製品には数段劣るな」 「そ、そのような事は…」 「事実だ。無敵艦隊を持つフェリペに伝えよ。日本を舐めるなとな」 ルイス・フロイスは汗をダラダラと流す。 「無敵艦隊が攻めて来ますぞ」 「ほう?インド洋をわざわざ越えてやって来るのか?その頃には何れくらいの戦える兵が居るのだ?何より日本を征服するのに圧倒的に兵が足らぬから現地の民をキリスト教の信者に変えて現地の兵力に変えようとしたのであろう?我が義兄も南蛮との貿易には差程、興味無かったであろう?」 そうなのだ。織田信長は全く南蛮との貿易に興味を示さなかった。 近くにより優れた只野製品が有るからだ。故にルイス・フロイスは俺の元へ来たのであろう。 「話は此処までじゃ。フェリペに伝えよ無敵艦隊を持って来ようが、その時は叩き潰すとな」 「くっ魔王め」 ルイス・フロイスの発言に側に控えて居た小姓達が刀を抜こうとするのを俺は手で制す。 「話は以上だ。去れ」 そう言ってルイス・フロイスを追い出す。 「所で缶詰の方はどうだ?」 「俺は光秀に聞く」 「はっ、先ずは瓶詰めから始めて居るようです」 「そうだな。何れは缶に変えたいが技術を磨かなくてはな」 俺が創造の能力で作る事は簡単だ。 実際には数個創って渡してある。 だが、俺が死んだら? その時点で技術は無くなる。 そう成らないように自国の産業を育て無いとな。綿を多く栽培し更に井伊直虎に綿の裁縫工場の工場長を任せて居る。 更に彼女はなかなか女傑で、夜で働く女性の相談センターの所長をして居る。 井伊直政を引き取って育てて居るので、俺は学校を作り農民や武士の子供関係無く勉学をさせている。 勿論、昼飯を出して居る。この中から将来、只野家を支える人物が出る事を願って学校を作った。 もうすぐ井伊直政は卒業の予定なので俺の小姓にしようと思う。 城では昼飯を食べさせる為に只野食堂を開いて居る。 まだ録の少ない武将達には大好評のようだ。 女性の働き口にもなるしな。 此処で石田三成、藤堂高虎、大谷吉継達に場面を移して見よう。 「大殿は皆が腹一杯食えるように食堂を置いてくれてんだぜ!」 藤堂高虎が大きな声で言う。 「殿は我等の事を常に考えてくれて居る」 石田三成が言葉を続ける。 「我等はまだ録が少ないので此れは有難いな」 大谷吉継が言葉を発する。 「所で松永久秀様に師事を仰いで居るのだろう?どうだ?」 藤堂高虎が大谷吉継に聞く。 「ああ、毎日が勉強だ。松永様の教えは素晴らしい」 「我等は雪斎様に毎日教えて貰ってますからね」 藤堂高虎と石田三成は太原雪斎により英才教育を受けて居た。 大谷吉継は松永久秀に教えを乞うように仁に言われている。 松永久秀も自分の持てる知識の全てを教えて居る。 大谷吉継は非常に教えがいが有る生徒で会った。 (儂が生きてるうちに、こんなに教えがいが有る者に出会えるとは殿はやはり持っている人物じゃな) 松永久秀の授業の合間に、コーヒーを容れる。 それを教え子の大谷吉継に飲ませる。 「目は覚めますが、やはり苦いですね」 「ミルクや砂糖を入れれば良かろう」 「いえ、大殿が何も入れずに毎回飲んでるので」 「師、松永様。大殿は何処を見ているのですか?」 そう言われて松永久秀の目は宙を泳ぐ。 「わからん!儂に分かるのは殿は儂等とは違う視線で世の中を見ておる!」 コーヒーをグビリと一口飲んで松永は答える。 「わからんから面白い!」 大谷吉継は思わず笑みをこぼす。 「ええ、真に不思議な殿様です」 この日は仁と言う人物は此れから何処を目指しているのか話が二人の中で盛り上がった。 只野仁は嫁の犬と艶の方と子供達を連れて伊勢湾に来て居た。 「はふはふはふ」 犬の方が俺が焼いた牡蠣を食べて居る。 「そんなに慌て無くても、まだ一杯あるぞ犬」 そう伊勢湾で現在はあこや貝の真珠の養殖と牡蠣の養殖に成功して俺はたまの家族サービスに家族を連れて来て居る。 三成達も連れてくれば良かったかな? 俺はそう考える。 同じように養鶏と羊、やぎや豚等の畜産にも力を入れて来た。 牛等を食べるのは禁忌とされて居るらしいが知った事では無い。領民にもようやく肉食の習慣が入って来た。 やぎはミルクやチーズが作れるからな。コスパも良いしまさにやぎ様々だよ。 「太郎もたんと食えよ」 「あい、父上」 可愛いなぁ、ちくしょう! 俺は卵にパン粉を付けてカキフライを作る。 お付きの料理人がタルタルソースを作る。 ジュワ~とカキフライが揚がる。 「ほいっとな。タルタルソースを付けて食べな」 「「「はふはふはふ」」」 犬も艶も太郎もカキフライに夢中だ。 平和だな。 織田家は西日本に勢力を拡張して居る。 只野家は東日本に勢力を拡張しなくてはな。 狙うは北条、大砲をもっと揃え無くてはな。 鉄砲も新式のライフリングを刻んだ玉込め式にしたし、反射炉も作ったから産業革命を只野家から起こさなくてはな。 ライフリングを刻んだ玉込め式のライフルは悪いが織田家には譲らない。 只野家だけの強みにしとかないとな。何が有るか分からんからな。 俺は東日本を睨む。 「来年まで待ってろよ北条家よ」 「かきふらいお代わり!」 「へい!義兄殿」 旨い飯を食うときは何故か現れる織田信長で会った。
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