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樺太統一
寒い!船は樺太を目指して現在、進んで居ます。
目的はロシア、明の隙を付いての樺太の完全攻略だ。
樺太は多くの大小の部族がひしめきあって居る。
それを攻略して統一するのは俺の仕事だ。
付いて来てるのは武田信玄と立花道雪に立花宗茂だ。
立花道雪と立花宗茂だが、一緒に高橋紹運に立花家臣団まで付いて来た。
「主家の領地が狭くなり事実上の解雇に近いです。ですので先のある只野家に士官しに参った次第」
まあ、島津家久に島津歳久も居るから纏めて面倒見てやるよ!的なノリで採用した。
まあ、立花家臣団と立花宗茂、完全復活し妙林尼を嫁にした立花道雪に、高橋紹運等の九州を代表する猛将達が士官して来るのは大変有り難かった。
「ご隠居様!見て下され!樺太が見えて来ましたぞ!滾るのう血が滾る!」
「道雪殿、その気持ち分かりますぞ!」
爺二人元気が大変宜しいようで…
実際に二人は会った瞬間にガシリと握手をしてたしね。
「寒く無いのか二人とも?」
「何の寒さ等、この血の滾りで寒くありませんぞ」
「左様左様!」
本当に元気だなジジィズは…
樺太の整備されたばかりの港に降り立つと北条の元家臣が出迎えてくれた。
「苦労を掛けるな北条氏直、大道寺政繁」
「「は!」」
北条の元家臣達は蝦夷に樺太の開発にと回されたが樺太は反抗勢力が中々手強く、隠居して身軽な俺が動く事になった。
勿論、只野軍を引き連れてだ。
今の所、千人しか居ないが船がUターンして更に千人の只野軍を連れて来る予定である。
ちなみに北条氏直だが、苦労が多いせいか、頭がかなり寂しい事になって居る。
うむ、若くしてハゲるの中々の苦労人だな。
北条氏直と大道寺政繁の案内の元にまだまだ寂しい城下町を抜けて城へとたどり着き、北条氏直から説明を受ける。
「と言う訳でして、ひっきりなしに奴等は襲って来るのです」
グツグツと鯨鍋を味わいながら俺は、氏直の説明を受ける。
「うむ、すまんな本州が中々落ち着かなくて、氏直には苦労を掛けた」
「いえ、勿体なき御言葉です」
「だが安心しろ。只野軍千人程だが更に千人後から来る。勿論、最新式の鉄砲を持ってだ」
「立花家臣団も居ますぞ!」
立花宗茂がここぞとばかりに言う。
「うん、立花家臣団の働きにも期待して居る」
後から南部に最上、相馬、伊達、蘆名、佐竹と合流するからな。
それぞれが千の兵を引き連れて順次やって来るからな。
合計で八千の兵が集結する事になるな。
「報告します!城下町に馬族が現れました!その数二千!」
ほお?中々の数だな。
「氏直、直ぐに迎え討つぞ」
「は!」
「氏直は城下町の被害をなるべく防いでくれ。二千の馬族は俺達が迎え討つ」
城を出ると馬族の連中は直ぐに城下町への攻撃を辞めて平原へと躍り出た。
まあ、平原の方が馬の強みを活かせるからな。当然の判断と言えるか。
一方の只野軍は左翼を武田信玄、右翼を立花道雪、中央を俺と宗茂の一列に並んで迎え討つ。
「諸君、戦争の時間だ。奴等に闘争の本質を見せてやろう」
馬族が馬鹿め!と言わんばかりに攻め寄せて来る。
「構え!撃て!」
パーンッ!パパーンッ!!パパーンッ!
「!?」
連続して撃たれる鉄砲、その鉄砲の威力に次々に倒れる馬族達。
「闘争の本質とは?それは殺し会いだ!」
俺は背中の青龍偃月刀を抜き放ち、赤兎に股がり一気に駆け出す。
出鼻は挫いた!後は一方的に俺のターンだ。
「はは!ご隠居様ばかりに手柄を上げさせるな武田隊進めっ!」
「何の、立花勢進め!命を惜しむな名を惜しめっ!」
二人のジジィズが鉄砲を撃ちながら前進。
二千の馬族は既に散々、鉄砲で撃たれてその数を大きく減らして居た。
そこへ立花宗茂を伴って仁が戦場を文字通り風となって駆け抜ける。
残り数人まで数を減らした馬族はあっさりと降伏した。
俺は現地の言葉を脳内にインストールした。
創造の能力版ほんやくコンニャ〇だ。
「何故、何度もこの地を襲う?」
「弱き者は強者にとって全てを取っても良いからだ」
うむ、只野軍本隊では無く旧北条家臣団だけでは裏目に出たか。
「ならば俺もお前等を弱者と見なし好きにしても良いんだな?」
「待て、我等は貴方に従う」
「たかが数人で?」
「………」
黙り込む馬族達に俺は牢へ繋いで置けと言い捨てると、その場を後にした。
そして、樺太城で過ごす事、一ヶ月。南部、葦名、伊達、最上、佐竹、相馬のそうそうたる面々の武将達が揃った。
なお、この戦には伊達政宗も初陣として登場する。
「皆、良く来たな。敵は騎馬が主体の軍ばかりだ。抜かるなよ」
「はっはっはっ、久し振りの戦ですぞ?楽しまなくては!」
南部晴政の言葉に東北武将の面々は頷く。
このバトルジャンキー共め、足元を掬われても知らんぞ。
まあ、東北武将の面々も鉄砲戦術は熟知して居るだろうからの発言なのだろう。
玉を込めて引き金を引く、玉を込めて引き金を引くの作業だからな。
「出ろ」
凡そ一ヶ月、牢に繋いで居た馬族の連中を外に出す。
「我等に何をさせる積もりだ?」
「お前さん達の本拠地を案内しろ」
「我々に裏切れと言うのか?」
「違うな、強き者が弱者を平らげる為にお前達の案内が必要なんだよ。分かったら、さっさと案内しろ」
馬族の本拠地を叩くべく東北武将の面々と只野軍が動く。
決着はあっさりと着いた。
此方が八千の軍勢で攻め寄せて、出てきた馬族の部隊を見敵必殺、見敵必殺と鉄砲を放ったら、馬族の部隊は壊滅し直ぐに降伏の使者を送って来た。
明に近い距離だが、鉄砲までは伝わって無いか。
降伏の使者を受け入れて、俺達の軍は馬族の中へと案内された。
多くの男手が減ったのか女や子供ばかりだ。
「此れからは大王と呼ばせて下され」
馬族の長老が俺を大王だと呼ぶ、まあ近くの部族も平らげるしな。
俺は馬族の長老に命令して、各部族へ降伏の使者を送る事にした。
その日は、俺が寝ると多くの女が強き者の子種をと大挙して押し寄せて来るが…
「ご隠居様の安眠を妨害するな!」
ちゃっかりとやって来た蒲生氏郷が通せんぼする。
氏郷、良い仕事しやがるぜ。
翌日、やけに艶々した武田信玄と立花道雪、そして立花宗茂…
お前等、ヤったな?
俺は帰ったらそれぞれの奥さんにチクる事に決めた。
それから数日後…
降伏の使者を送ったが、弱い者には従わないと使者を送り返して来た。
まあ、構わんのだけどね。
俺は東北の諸将に命じて各個撃破を命じた。
あれだな、一致団結して一代勢力に成ったら攻め方も変わって来るが、各部族の連携何て会った物じゃない。
各々が勝手に動いて各個撃破される状態だ。
お陰で拠点にして居る場所に続々と降伏の使者が訪れる事になった。
まあ、自慢の馬を使った機動戦が封じられた時点でお察しである。
そんな感じだが、俺達は軍を率いてとある最大部族の軍と戦う事になった。
確かヌルハチとか言う奴が率いる軍団と戦をする事になった。
確か清の初代皇帝になる奴だったよな?
此処はドバンと撃破して、俺の影響力を明の方へと更に伸ばす絶好の機会だ。
三万にも届きそうな馬の軍団と平原を挟んで対峙して居る。
「信玄、何か良い策は無いか?」
俺が信玄に策を訪ねると、信玄は苦笑して俺に言う。
「ご隠居様も人が悪い、此処に来て取る戦術は鉄砲戦術ですじゃ。
鉄砲で敵を崩した後にご隠居様の破城槌のような攻撃力をすれば投了ですな」
ふむ、しかし敵は三万の軍団だ。
イギリスの得意戦術、ロングボウ戦術見たいに上手く行くかな?
ロングボウ戦術については各自調べるようにしてくれ。
何処からか、ヌルハチの騎馬隊が左右に綺麗に別れて此方へと突進して来る。
成る程な鉄砲を警戒しての行動か。
だが、まだ甘いな!
此方は八千も居る鉄砲隊だぞ?
四千ずつに別れて撃てば良かろう!
パパーンッ!パーンッ!パパーンッ!
点でなく文字通り面での制圧戦だ!
ボルト式、只野銃を撃っては玉を込め、撃っては玉を込めと銃撃は一向に止む気配は無い。
前に出れば出るほど被弾して行き、その馬体と共にヌルハチの軍が崩れて行く。
ふむ、このままでは殲滅戦になるな。
俺としては、ある程度の戦力を残して置きたいのだがな。
ヌルハチの軍の動きが変わる。
「成る程、軍を固めての中央突破ね」
此処に来るまでにヌルハチの軍は万の被害を出して居る。
まだ二万近い軍が揃って居るようだが、中央突破を狙って来るならば十字火砲で殲滅出来るな。
だが、俺は赤兎を前にして突撃の戦法を取る。
「ご隠居様!敵は二万ですぞ!」
伊達政宗が必死に鉄砲を構えて放つ。
「何、鉄砲で負けたとか理由をつけられない為さ。お前達は我が軍の実力により、ぐうの音も出さずに負かしたいのだよ」
「それは分かりますが」
「何より俺が暴れたいのだよ奴等が何処までやるか俺は見てみたい」
「はっはっはっ、立花家臣団はご隠居様に続きますぞ!」
立花道雪が戦とは、こうで無くてはと笑い声を上げる。
「我等、東北武将も続きますぞ!」
何だ全員が戦馬鹿ばかりだな。
「ならば多くは言わん!俺に続け!」
俺は青龍偃月刀を背中から抜き放つと、赤兎と共に敵の真っ正面へと突撃して行った。
ヌルハチの軍が槍を抜いて俺に襲い掛かって来る。
「遅い!」
俺は槍を弾くと青龍偃月刀をそのまま叩きつける!
「次!」
お代わり無用とばかりに次々と遅い掛かってて来るヌルハチの軍を俺は纏めて薙ぎ払う。
佐竹義重の軍が真壁氏幹の指揮の元に的確にヌルハチの軍を槍兵を駆使して裁いて行き、至近距離からの鉄砲の一斉射撃で薙ぎ払う。
「汚物は消毒だぁっ!」
うむ、何処かで聞いたフレーズだな。
俺は前へ前へと進むとTHE蛮族の王!と言った出で立ちの人物が見えて来る。
向こうも此方に気づいたようだ。
「俺はヌルハチ!名を名乗れ!」
「只野仁、総大将をして居る」
「ならば貴様を斬る!」
ヌルハチはそう言うと大刀を振り上げて俺に斬り掛かって来た。
ギインッ!とヌルハチの大刀を弾く青龍偃月刀。
今のやり取りで互いの技量の差が分かってしまったようだ。
ヌルハチの顔に一筋の汗が流れる。
「貴様…化物か…」
「どうも良く言われるよ」
武の理を持つチート使用だからな。
それに長年の戦働きで武力はガン上げだぜ。
伊達に伊勢の人食い熊と呼ばれて居る訳じゃないのだぜ?
俺的には今関羽と呼ばれる筈だったのに今呂布と呼ばれて居る。解せん。
「うおおおぉぉぉっ!」
ヌルハチは覚悟を決めたのか、渾身の一撃を繰り出す。
それは全てを乗せた捨て身の一撃に近かった。
俺はその一撃を青龍偃月刀でガッシリと受け止める。
「残念だったな。その一撃では俺に届かんよ」
返す刀で青龍偃月刀の峰の部分でヌルハチの意識を奪う。
「敵将討ちとったり!」
俺がそう宣言すると、その言葉が戦場全体に伝播して戦は終わりを告げる。
さて、どうしようか。この男を…
現在、大宴会の真っ只中で会った。
あれからヌルハチは俺の事を気に入ったのか『兄貴』と慕ってくれるようになった。
「兄貴の言う通りにしよう。我が女真族は兄貴に従おう」
話が早くて助かった。
「明には攻めこまないのか?」
「明は大きい、まだ無理だ」
「そうか、明を攻める時になったら俺の軍を貸そう」
「本当か!?兄貴の軍ならば安心だ」
まあ武田信玄と立花道雪辺りを派遣しようかね。
こうして明北部にかなりの影響力を残して樺太遠征は終わる事になる。
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