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赤い…赤い海…。 それは、血の海…。 汚い、汚い俺の心。 誰かに斬られ、噴出した自分の血… 誰かを斬り、跳ね返ってきた、返り血… 汚い、汚い俺の身体。 答えが解らなくて… 答えを見つけたくて… 必死に足掻いた…。 無駄だと分かっていても… 欲しかった…。 自分だけの、 特別じゃなくていい… 自分だけの答えが。 答えを出す為に、 俺は汚れた…。 そんなのは言い訳に過ぎない。 分かってる…つもりだった。 だけど、やっぱり分かってなんかいなかったんだ…。 斬る事で、不安を打ち消し。 斬る事で、不安が募る。 同じ事を繰り返し… 自分で傷付く、否、傷付ける。 そして、俺の周りは誰1人として居なくなった。 代わりにあったのは… 赤い…真っ赤な血。 鮮血と赤黒くなった血…。 俺は、殺した。 罪の無い者も… 殺したんだ。 決して、許される事は無い…。 俺の永遠の罪。 だから俺は… 死なない、死ねない。 俺が殺してきた者の為に…。 生き続ける。 自分で造った、痛みと言う檻の中… 『血と言う海で生き、さ迷い続ける。』 fin
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