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バーベキューの夜
「みんな今日までお疲れ様!」
ここは、平井地区のほぼ真ん中に位置する北海道大学和歌山研究林庁舎前の広場。
傍らにはコンテナどっさりのユズがビッシリ並べられている。学生ボランティアだけの分ではないが、ここまで揃うと圧巻である。
引率教員兼学生ボランティアを仕切る首謀である増田教授が高らかに缶ビールを掲げた。ちょっとハイテンションだし、何なら顔も少し赤い。どうやら、待ち切れなくて飲んでしまったらしい。
「今日は天然のアユや刺身、お肉も沢山出して頂いてるから好きに食べて飲んでいいぞ!」
学生達からやったァ!!と大きな歓声が上がる。チラリと横のテーブルを見ると、大きな皿に脂の乗った刺身とアユがこれでもかと盛り付けられていた。新鮮と銘打っているような輝きぶりに、これはあの有名な美食家も「海の(川の)宝石箱や〜!」と言いたくなるはず。
ここへ来てから、なかなか体験出来ないことばかりだ。
「それでは、乾杯!!」
増田教授の宣言で、バーベキューの夜が始まった。
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