世界一、きれいな顔

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次の日から僕は戦場へと出た。 けれど味方が撃墜されるたび、敵を屠るたび 君の泣き顔が目に浮かぶのだ。 僕は死にたくなかった。 死を覚悟していた、気高かったはずの勇気は 君の涙で呆気なく流されて 残ったのは 生きて再び君に会うという 思いだけだった。 そうして僕は 自分を生かすため華々しい戦果をおさめた。 終戦は船の上だった。 最後の一花を咲かせるという大舞台で 整備中だった愛機と共に。
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