世界一、きれいな顔

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君に惚れたのはもう80年も前になるんだな。 あの頃は、女学校に通う君の顔を見たくて 背中を見つけては 用もないのに駆け足となって 君を追い越して 追い抜きざまにちらりとみる君の横顔と 目が合うのが一番幸せだった。 周りの友達に君の事が好きだと言うと、大概驚かれたものだ。 君はあまり目立っていなかったから それでも僕は君が好きだった。 話したこともなかったけれど 5人いる妹や弟の面倒を見て、実家の手伝いまでして それでも朗らかに笑う君を見て 僕は君を好きになった。
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