546人が本棚に入れています
本棚に追加
/919ページ
第三十五部の弐 心の欠片『和風オムライス』
さて、オムライスと言えば。
日本が生んだ洋食とは言え、完全に洋食スタイルなのもいかがなものか。
灯矢の食べたいものは、きっとそれかもしれないが。完全に洋食店の味を再現するだけでも面白くない。面白味を追求してもいけないとは思うが。
少々、内側のご飯の味を工夫しようと決めた。
灯矢から取り出した心の欠片である、卵達は調理台の脇に置き。
まずは、玉ねぎを刻むことにしたが。
「灯矢君は、苦手な野菜とかはありますか?」
「な……ない、です!」
「ふふ。基本的に好き嫌いはないんですよ」
母である灯里が小さく笑うくらいだから、本当にないのだろう。であれば、にんじんとピーマンを入れよう。
火坑は子育てをしたことはないが、野菜をまったく食べないのもいけないと思っている程度。
火の通りやすいように、細かく刻み。油で炒めて、合い挽き肉も入れてケチャップは入れずに、醤油、砂糖、酒、みりんを合わせた調味液を流し入れる。
アルコール部分を飛ばすためにも、よく煮込んで。煮詰まったら、ご飯を入れて混ぜてから皿に盛り付けておく。
最初のコメントを投稿しよう!