正式な妻の反乱

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正式な妻の反乱

ツイッターにはこうあった。 うちのダンナには浮気癖がある。浮気相手との子供を政府が産ませている。公序良俗違反ではないのかと。イイねが5万人を越えていた。中には自分も同じ目に遭っているという書きこみも多い。 秘密裏に動いていてもばれてしまったようだ。 優子は田中先生に、ぜひ自分にこの対処をやらせてほしいと言った。 この人たちは必ず少子化対策委員会に押し寄せるに違いないので自分が対処すると。 田中先生はやってみたまえと。 優子はよしと対策委員会室へと急いだ。 「あなた!中村優子よね。少子化対策委員会の人よね」 「はい、そうです」 「子供がほしいからって、不倫の子供を増やす手伝いをして良いと思っているの?」 「あの、まずはどうぞこちらへ皆様。ええ、皆様どうぞ中へ」 50人くらいの女性が入った。 お互いに立ったままで話をする。 「浮気でできた子供を沢山産ませているそうじゃありませんか。うちの主人も、5人ほど婚外子がおりますわ。金もないから本来はこんなこと、あり得ないんですよ。 でも、政府が養育費をカバーするからやり放題、産み放題なんですよ!どうしてくれるんですか!」 「うちも」「うちも」と声があがった。 優子は始めに話した人の名字を尋ね、大きく息を吸って「重田さん、大変な思いをなさってますね。よくわかります。家の母も父には泣かされっぱなしでした」 「あら」 「よくわかります。とても悔しいですよね。しかも5回も」 「そうなんですのよ。皆、違う女なんです。でも、家は3人娘がいて、離婚したくても、できないんです、ですからあなた方がやってるのは...」 「娘さん3人ですか。うちは私は一人娘でしたが父が問題を起こすたびに家が荒れて荒れて、実は私は離婚してほしかったんです」 「え!」 「娘さんに言われたことありませんか?離婚してほしいと」 「...実はあります。何度か。でも、三人を大学にやるのは学費は無料なんですけど、色々な他の費用が。一人は音大志望なので、レッスンのお金がけっこうかかりますし」 「あの、日本の法律も変わりまして、養育費を払わないことは許されません。前は養育費を払わなくなる男性も多かったんですが、今は給料を差し押さえを政府が代わってやっているのですよ。音大の為のレッスンもちゃんと認められるはずです。娘さんの希望にそうようにできますよ」 「それなら、離婚してもいいわ」 「生活費も、今は一人親世帯は大変優遇されていて、手当ても厚いです」 「ヨーロッパのどこかの国みたいになったんですね」 他の女性が声をあげた。 他にも生活していけて、子供の養育費も大丈夫なら、妻をキズつける浮気な夫などいらない、そんな結論になって皆帰っていった。 優子はほっとして、報告の為に田中先生に会いに行った。
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