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真奈が委員会に行ってしまい、いつも真奈と一緒にいるおかげでクラスの女子グループから浮いている私は、なんとなく隣のクラスの坂本のところへ向かった。
自分でもあれだけ苦手に思っていた相手にわざわざ自分から会いにいくなんて私はなにを考えているのだろう、と少しだけ思わないわけでもなかった。
だけど、訪ねてきた私を見た坂本は驚きもしないのだから、考えている方が馬鹿馬鹿しく思えてしまう。
私が来るのが当然、みたいな顔をした坂本は外の自動販売機へと誘い、私もなんの疑問もなく頷いた。
坂本のクラスにいた人たちが私たちを気にしているのはなんとなくわかっていた。
うちのクラスだったとしても他所のクラスからわざわざ異性に会いに来れば少し目立つということはあるから理解はできるけど、くだらないとも思う。
だってなんとなくわかるのだ。
私と坂本をそういった関係なのだろうか、と探っているのだろう、なんてことは。
そんなことあの人たちに何が関係あるのだろう、くだらない。とは思うけど、さして気にならなかった。
少しも事実ではないことを探られて何になるというのか。
「そういえば、坂本はなんで私のこと睨んでたの?」
坂本はサイダーを、私はいちごオレを、いつものように買って口をつけたところで、今日は私の方から声をかけた。
相変わらずいちごオレは馬鹿みたいに甘ったるくて、私の胸をひりひりと焼いた。
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