【短編】丸腰Birthday

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 晩飯にどっか連れてくくらいなら出来るから、どうにかGoogle先生に頼ろうか。ケーキはどうする。食いに行った先で出してくれりゃ助かるけど。  俺は決してイベントを蔑ろにする男じゃねぇ。ちゃんと、やる。とか言ってもこれじゃ説得力ねぇし、初めてのあいつの誕生日でこの失態はまずい。この先の人生に関わる。 「夕、明日」 「あっ! おう! 大丈夫!」  急に声をかけられて、慌てて返事をする。 「まだ何も言ってないぞ?」  …ほんとだわ。何が大丈夫なんだ。全然大丈夫じゃねぇよ、俺。 「あー…何?」 「明日の晩飯。食いたいもんあるか?」 「う…ぁ?」  変な声出ちまった。明日はお前の誕生日だ。俺のリクエストを聞いてる場合じゃねぇだろう。 「お前が食いたいもんにしろよ」 「うーん。蒸し鶏とかしようかな…茗荷も美味しいし…。夕、茗荷は大丈夫か?」 「食えるよ」 「じゃ、久しぶりに茗荷のサラダにしよう。蒸し鶏に何合わせようか…」  ブツブツ呟きながら冷蔵庫を覗いてる。毎日の光景になったけど、ほんとにこいつは料理が好きだ。こうやって、毎晩翌日の献立を考えてる。
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