2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
晩飯にどっか連れてくくらいなら出来るから、どうにかGoogle先生に頼ろうか。ケーキはどうする。食いに行った先で出してくれりゃ助かるけど。
俺は決してイベントを蔑ろにする男じゃねぇ。ちゃんと、やる。とか言ってもこれじゃ説得力ねぇし、初めてのあいつの誕生日でこの失態はまずい。この先の人生に関わる。
「夕、明日」
「あっ! おう! 大丈夫!」
急に声をかけられて、慌てて返事をする。
「まだ何も言ってないぞ?」
…ほんとだわ。何が大丈夫なんだ。全然大丈夫じゃねぇよ、俺。
「あー…何?」
「明日の晩飯。食いたいもんあるか?」
「う…ぁ?」
変な声出ちまった。明日はお前の誕生日だ。俺のリクエストを聞いてる場合じゃねぇだろう。
「お前が食いたいもんにしろよ」
「うーん。蒸し鶏とかしようかな…茗荷も美味しいし…。夕、茗荷は大丈夫か?」
「食えるよ」
「じゃ、久しぶりに茗荷のサラダにしよう。蒸し鶏に何合わせようか…」
ブツブツ呟きながら冷蔵庫を覗いてる。毎日の光景になったけど、ほんとにこいつは料理が好きだ。こうやって、毎晩翌日の献立を考えてる。
最初のコメントを投稿しよう!