【短編】丸腰Birthday

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 …しまった。そっちか。飯の前までやってたアレンジの続きか…。 「…あー…そうだな」  楽しくなってたから、飯にするか作業続けるか迷ったんだったわ。何で頭から抜けてたんだよ、それが。誕生日のこと考えてたから…決して、今の下心のせいでは。  でも、うっかりちょっと元気になっちまったじゃん。静まれ、俺。  腕をほどいて離れると、宵闇は立ってそっちへ移動する。俺も着いていくしかねぇ。  アレンジはかなり完成に近付いてて、もう少しでほぼ仕上がる。もうちょいでデモをメンバーに送るとこまで辿り着くはずだ。  宵闇はマウスとキーボードであれこれと画面をいじってる。俺は画面はいじれねぇけど、出て来る音を聴いてジャッジして、口を出す。ドラムとベースはまあまあ作り込む。どっちみち俺らがプレイするわけだから、ある程度完成形は見えてる。それでも実際にプレイすると変わってくるから、余裕を持たせてある。
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