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「お母さん、お母さん!聴いて!」
なみちゃんは、お母さんに言いました。
「なみね、父の日にプレゼントしたいものを考えたの。日曜日にね、お父さんにお休みをプレゼントするの!」
「お休みを?」
「うん!だからね、お父さんの代わりに、なみがいっぱいお母さんのお手伝いをして、お母さんを助けるから!その分お母さんは、お父さんをお休みにしてあげてほしいの!」
なみちゃんは、手作りのチケットを作りました。日曜日専用のチケットは、ちぎって三回分使うことができます。それをお父さんがなみちゃんに渡してくれた日は、なみちゃんがお父さんにお休みをプレゼントするため、いつもより頑張ってお母さんのお手伝いをする日になるのです。
まだなみちゃんは小さいけれど、かけっこが得意で、どんな男の子よりも頑張り屋さんだと自分でも思っています。頑張らないせいで、他の誰かに負けるのがとても嫌なのです。それが大好きなお父さんとお母さんのためなら、どんなに頑張っても辛くはありません。
なみちゃんはお洗濯のやり方をお母さんに教えてもらい、お料理ではお皿を上手に洗うやり方と、卵の割り方を教えてもらいました。
アイロンをかける方法は、とても難しかったけれど、少しずつできるようになればいいよとお母さんが言ってくれました。
「なみ」
父の日の終わり。チケットを使ってくれたお父さんは、なみちゃんにご褒美をくれました。
いつもよりいっぱい、頭をなでなでしてくれて、なみちゃんが大好きなペロペロキャンディーをくれたのです。
そして、一番嬉しかったことは。
「ありがとう、なみ。最高のプレゼントだったよ!また、よろしくね」
大好きな大好きなお父さんの、とっても素敵な笑顔。
来年も再来年もずーっと先も、父の日に幸せをプレゼントしたいな。そう思った、なみちゃんなのでした。
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