厄介なアドバイス

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コクコクと首を揺らし、喜んで俺についてくる彼女は子犬のようだ。 「じゃあ、どこに行きたいとかある?」 「え? あなたと一緒ならどこでも大丈夫だよ。どこだって嬉しい」 「どこでも良いかぁ。なにかリクエストがあると嬉しいんだけどなぁ。どこか行きたいところというか、なにか夢とかないの? ほら、女の子はデートに夢見たりするもんでしょ?」 「えぇ!? そんなこと考えてもなかったから、そんな風に言われて嬉しいな!」 夢見てなかったのか。それは残念だ。彼女の希望を最大限叶えてあげたいものではあるが、希望がないのなら仕方がない。 「じゃあ、さっき俺となら何でも嬉しいって話だったから、どれでも夢ってことでいいかな?」 「うん! そうだね! あなたと一緒なら、私は満たされるの!」 「じゃあ、好みを教えてほしいって希望も叶えつつってことで、最近できたアウトレットでもいく?」 「わあ! そんなところ行ったことないから楽しみだなあ」 「ご希望に添えそうならなによりだよ」
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