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「ごめん、待たせた?」
「……ま、待ってないよ?」
上目遣いで大きな黒目をのぞかせた彼女は、膨れた頬でそう言った。
胸元まで伸びたさらさらの茶髪は、天使のわっかが自然とできるほど輝いている。肩の部分がレースで透けたロングワンピースを身に纏い、控えめな差し色のピアスが揺れていた。
もともと華奢な体のお陰でロングワンピースが野暮ったく見えず、レースに透ける肌が女性らしさを出している。
その言い方も体の傾け方も女の子としては完璧だ。
目元は派手過ぎずナチュラルに仕上げられ、頬にうっすら乗ったチークと薄いピンクのリップは同じ色。
近づけばフローラルな香りが行き届き、どいつも彼女を振り返るほどだろう。
「今日、すごくかわいいんじゃない?」
「え! 本当?」
小さな顔に備え付けられた柔らかそうな頬を両手で包み込み、チークの色以上に紅潮させる。
「じゃあ、今日はなにしたい?」
せっかくのデートだ。彼女の要望に合わせてあげるのが正解だろう。
「もっとあなたの好みを教えてほしい!」
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