世界一の恋愛

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 昨日の晩はずっとスマホの画面を眺めていた。乙女と疑われても変じゃない。スマホを軽く抱きしめたりもした。  世界地図を飛ぶ飛行機のアイコン。ずばり着陸の予想時刻が、数分前後する瞬間でさえも見逃したくない。  一瞬寝落ちしても、夢の中でシミュレーションしていた。  どんな顔でユウちゃんを出迎えようか。なんならスケッチブックでも掲げて「ウェルカムバック!」なんて声を上げようか。 「俺、気持ち悪すぎ」  夜な夜なベッドに横たわって口元を緩める自分が恥ずかしい。  刻一刻近づいてくる再会の瞬間をいかにドラマチックに、ロマンチックに、一生忘れない出来事にしようか、妄想が止まらない。 「ちゃんと迎えに行きます」  目を瞑るだけで眠ったんだか眠ってないんだか分からない数時間をやり過ごした。
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