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なんでこうなるの?
愛美「なんか今日の学校騒がしいなぁ。どうしたんだろう。」
次の日の朝。ホームルームの時間の前に、愛美は教室で友人の美山 琴葉と話をしながら回りがざわついている件について話し合っていた。
[美山琴葉:愛美と一番仲がいい女子生徒。頭は中の下だが、スポーツに関してはプロ級に上手い。茶髪のポニーテールで、顔は普通で目は黒目。身長は、愛美とほぼ同じで、部活は茶道部にはいっている。]
琴葉「愛美しらないの?今日転校生がくるらしいのよ?」
愛美「転校生?こんな時期に?」
今この学校はもうすぐ三年生の卒業式を控えており、そんな時期に転校生がくるなんて滅多にない事だろう。
琴葉「ね?不思議でしょ?私も詳しい情報は知らないんだけど、それで皆噂してるんじゃないかな。」
愛美「それにしても…」
女子生徒1「私絶対サインもらうんだ!」
女子生徒2「私だって!」
愛美はあまりに女子生徒がキャーキャーいってるような気がして、嫌な予感しかしなかった。
そんな予感したのもつかの間コツコツと愛美のいる教室に近づいてくる四人の影。
それにつれて大きくなる女生徒の奇声。
愛美「何事?」
愛美は回りの異様な熱狂に、身を縮ませた。
その時。
ガラッと教室の扉が開き。先生が入ってきた
先生「はぁい。静かにして。ホームルームを始めるから、皆座るように。」
回りは熱狂はそのままに、座りだす。
先生「いつもは、挨拶をする時間ですが、その前に皆さんに新しい友達を紹介します。皆入って。」
そう先生が言うと、扉が開き。
中に四人組が入ってくる。
愛美はその四人組を見て一気に血の気がひき、顔が真っ青になる。
愛美「あ、あれは…」
琴葉「愛美どうしたの?大丈夫?」
あまりの愛美のうろたえっぷりに心配した隣の席の琴葉が声をかけてくる。
愛美「…。」
愛美には友人の問いかけに答える余裕はないようで、未だに真っ青な顔で四人組を見つめている。
琴葉はもう一度前を向く。そしてここでようやく四人組が何者かわかったようで、いきなり立ち上がり、
琴葉「えー!!フォーティーナインじゃん!!」
と叫ぶ。
愛美の心の声(フォーティーナイン?)
愛美は友人の発した言葉に聞き覚えがあった。
愛美の心の声(確かいつもテレビで耳にはするアイドルグループの名前…ん?アイドル?)
ここで愛美は昨日の出来事を思い出す。
愛美の心の声(あれって本当だったの?)
そう愛美の教室に現れたのは他でもない。あの時の四人組である。
海璃「おれは、佐沼海璃。」
緑髪の男「私は、新島 透です。」
黄髪の男「僕は、神田東 尚樹だよー!皆よろしくぅ♪」
佑馬「ぼ、僕は、宮野佑馬。」
透「私達は、そこのお嬢さんがいうように、フォーティーナインです。」
そこまでいうと、自己紹介の間は静まり帰っていた教室が一気にわきだす。
男子生徒1「まじかよ!やっべぇ!」
といいながら興奮する男子。
女子生徒1「ほ、ほんもの…」
といいながら嬉しさからか、倒れる女子。
もはやその時の教室は、まさにカオス状態だった。
先生「静かに!!桐山 奏さん倒れた女子を、佐藤 和馬さんと一緒に医務室に運んであげて。」
[桐山奏:女子生徒の一人。髪はダークグリーンで、ボブ。目も同じ色をしている。顔も美人。大人しい女の子がゆえ男性からの人気が高い。身長は150cmと低め。]
[佐藤和馬:男子生徒の一人。髪は青色。目も同じ色をしている。顔は爽やか系だが普通。物静かさが女子からは人気高い。身長は160と低め。]
今呼ばれた二人は保険委員で、さっきの騒ぎの中愛美以外で騒がなかった少人数のうちの二人だ。
二人は倒れた女子を連れて教室をでた。
愛美はそれに乗じてこっそり教室を逃げ出そうとした。
だが、
海漓「おい。そこのお前。」
と海漓が言った途端。愛美は体がびくつき動かなくなり、首だけを海漓の方へゆっくり向ける。
海漓「こっちはわざわざお前に謝る為に来たんだ。さっさと座れ。」
海漓がそういった瞬間。ピューと窓も空いていないはずの教室に冷たい風が通る。
男子生徒1「今愛美に言わなかったか?(ボソッ)」
男子生徒2「んなわけないだろ。愛美にあんな口の聞き方する男子がこの世にいるかよ。(ボソボソ)」
女子生徒1「でも愛美さん止まったわよ(ボソッ)」
女子生徒2「そうねまるで自分に言われたのがわかったみたいだったわ(ボソボソ)」
皆は一斉に愛美を見る。
愛美「…。」
愛美は体勢を整え、笑顔で
愛美「先生早退します。」
と言ったかと思うと、全力ダッシュで教室から逃げだした。
海漓「あっちょ待て!」
透「海漓。お前があんないい方をするからだ。女子の扱いには気を付けろとあれだけいっただろう。」
海漓「じゃあお前があれ止めてみろよ透!」
尚樹「僕に…任して!」
教壇にあがり、ジャンプした尚樹は一気に教室の後ろにいき、全力ダッシュとはいえ、走るのが遅かった愛美はこの時点でまだすぐそこのトイレ前の廊下にいる。
それを確認した尚樹は地面を大きく蹴りながら走り、ものの数秒で愛美を追い抜き、前に出る。
尚樹「愛美ちゃん。そんな足じゃあ僕からは逃げられないよ☆」
愛美「ひぃっ!」
愛美は急ブレーキをかけ、悲鳴をあげ、後ろに戻ろうと振り向いた時には、すでに他の三人が後ろにいて、逃げ場をふさいでいた。
愛美「もーっ!なんなのよー!!」
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