透の過去

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※ ~ 数年前 ~ ※ここからは、小さいときの透の過去の話です。ナレーションも透だと思ってください! 透「パパ~ママぁ!」 あれはまだ俺がこんな真面目キャラでも、怯えキャラでもない普通の一般的な子供だった時。 俺の家族は喧嘩ばかりを繰り返していた 透「お話ばかりしてないで、遊ぼーよ!」 まだ幼かった俺は喧嘩してるなんてわからなくて、遊びたいからって喧嘩の中心に無理やり入ったんだ。 透父「うるさい!」 バシーン ゴッ 一瞬何が起きたのかわからなかった。俺はただ父と母と俺で遊びたかっただけなのに、叩かれ、その反動で地面に強く頭をうち、気がつくと病院にいた。 そこには泣きじゃくる母の姿と、たくさんの知らない大人達がいて、格好から警察や医者だってことはわかった。 透「ママ?」 それまで警察らしき大人と話していた母親は「透ぅ!」といってさらに泣きじゃくりながら俺を強く抱き締めた。 透「ママ。パパは?」 その時僕が幼いながら回りの空気が冷たくなるのを感じた。 透母「透?パパはね遠いところにお仕事にいったの。でもね透がいい子にしていたらすぐ帰ってくるから。今は早く退院しようね?」 何言ってるのかあの時の俺はわからなかったけど、あとから聞いた話だと、俺を殺してしまったと思った父は、母をも突飛ばし、家からにげ、逃げた先の道路ではねられ死んでしまったらしい。 それからの母は悲惨だった。父が残した借金を返すため働き、イライラが募ったのか、俺に暴力を振るうようになった。 大好きな父も母もこの時あぁもういないんだと感じた俺は家から逃げ出し、保護された。 それからも優しい人に拾われたと思ったら、ろくに食事をもらえない人だったり、またDV受けたりと繰り返しているうちに俺は人間が怖くなった。 誰も信用しない!できない!近づくな! そんな日々がずっと続いたなかでやっと出会ったのが海漓達だった。 初めはもちろん拒んだ。でも海漓達は何度も俺のとこに足を運び、アイドルになるんだとか、世の中の奴らを人気になったぞって言って、見返さないか?とか、バカな話をする度いつの間にか俺はまた笑っていた。 ~ 現在 ~ 透「今ではそのバカな話が現実になったが、アイドルはキャラ作りが必須だ。だから真面目キャラを選んだ。もし母に見られてもわからないように髪色を変えたり、眼鏡をかけたりできるから…。まぁあの女が会いに来るわけないがな。」 ?「透!」 透はビックリした。自分の母親に呼ばれたような気がしたからだ。でも、振り向いた時いたのは母親ではなく、愛美だった。 愛美「こんな所にいたんですね。透さん。探しましたよ。」 愛美は一瞬顔をビックリさせていた。その目は俺のタバコをみている。 俺はすぐにタバコの火を消し、タバコを隠した。 透「授業が始まるというのに、男嫌いの君が何をしている。まさか私を探しにきたのか?言っておくが私は君が思っているような真面目な人間じゃない。あくまでもキャラ。そんな私、いや俺に近づくなんて君もキャラなのかい?」 透の心の声(何をいっているんだ?俺は…。) 透「それもそうか、それなら佑馬を助けた理由もここにいる理由も説明がつく。」 透の心の声(違う。あれは偶然だ。) 透「それともなにか。俺に説教でもするきか?設定だけの、びっち女は。」 透の心の声(違う。俺はそんな事思ってなんか…。) パシーン いつの間にか目の前に来ていた愛美は、俺の前に立ち手を振り下ろしていた。 俺のほっぺはあの時のように痛みを発している。でもあの時の痛みとは何か違う…。 愛美「何をやってるの!タバコなんてすって!学生が、しかも委員長がやっちゃダメでしょ!体にだって悪いんだからね!?説教する気も無かったけど、そこまでいうなら言わしてもらうわ!」 愛美は今俺を叩いた手を俺の前に持ってきて、見せた。その手のひらには少しポツポツと鳥肌がたっているのがよくわかる。 愛美「この通り、私は正真正銘男が嫌いだし、びっちじゃないし、ここには貴方が昔は人間が嫌いだったって聞いてどうやって治したのか参考までに聞きに来ただけよ!それにキャラが何よ。そんなの壊せばいいじゃない。自分らしくいられないからイライラして、そうやってタバコをすったり、思ってもいない言葉がでるんでしょ?」 透「どうして思ってもないって事が…。」 愛美「わかるわよ。だって貴方のいいかた。私に言い寄ってきて降られた時に、とりあえず罵声を浴びせる男子にそっくりだもの。まぁ一回目はわからなかったからさすがに落ち込んだけどね。でも後から友達に思ってもないこと言っちゃったって相談してるのを聞いて、それから同じようないいかたをしてる人にはこうして、一発食らわしてるのよ。そんな事じゃ女子にはモテないからねってね!」 愛美はそういうと俺から急いで離れる。 愛美「と、いうわけだから、、、あの…。治しかたとかあったら教えてくれません?できればそのままの位置で。」 愛美の顔からは汗が出ている。よほど無理して近づいたのが俺でもわかった。 透はフッと吹き出し笑いながら、立ち上がる 透の心の声(そうか。あの時のビンタには愛情を感じなかったが、今は少しは相手を思いやってしたから違いを感じたんだな。俺らしくもないことをやってしまったな。いや、、、まだやるかもしれないな。) 愛美「な、何がおかしいんですか!こっちは真剣に!」 愛美がそういうと同時にさっきまで笑っていた透が一気に愛美に近づき、愛美の手を握り、おでこにキスをした。 透「これをファンの女子達に繰り返してたら治ったっていったら…。信じるか?」 透はそういいながらまたタバコを加え、顔は小悪魔のようになっている。 愛美「し、し、、、信じないわよ!◯かぁ~!!」 ※愛美が不適切な発言をしてすみません! その時学校中に響きそうなほど、大きなビンタの音が木霊したのは内緒の話だ。 愛美「男なんかやっぱ嫌いだぁぁぁあ!」
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