第四章 入学と親友

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呆然としている僕に、秋月は 「嫌われるより、好かれてるんだから良いんじゃないの?」 って、呑気に言ってるけど…。 「はぁ…」 大きな溜め息を吐いた僕に 「そんなに深刻な事か?」 と、秋月に呆れたように言われてしまう。 天使様とか言われてしまう、こちらの身になって欲しいもんだ。 そう考えていると、秋月が自分の顎を指して 「どうした?ここ、怪我でもしたか?」 と聞いて来た。 「え?」 驚いて顎を触ると、赤い絵の具が着いていたみたいだった。 「絵具だ…」 制服のポケットからハンカチを取り出すと、ポケットから鍵がポロリと落ちた。 秋月は鍵を手に取り 「何の鍵だ?その絵具と関係あるのか?」 怪しいという顔をして僕を見る秋月に苦笑いを返す。 「冴木先輩に追い掛けられてる時に…ちょっとな」 言葉を濁すと 「お前、まさか永田から鍵を貰ったんじゃないだろうな?」 と、低い声で秋月が聞いて来る。 確信を突かれて思わずドキリとすると 「悪いことは言わない。あいつには気を付けろ」 珍しく真剣な顔で秋月が呟いた。 「気を付けろって…」 思わず聞き返そうとした時、5時限目のチャイムが鳴り響いて、そのままうやむやになってしまった。
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