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そして、僕の身体を汚して乾いているモノを見て
「やっぱり、右手の骨を砕いてやれば良かった」
そう吐き捨てるように言うと、僕を抱き締めた。
「すみません。もっと早くに、私が駆け付けていれば…」
悲しそうに呟く田中さんに、僕は小さく微笑む。
「…でも、助けてくれた」
僕の言葉に、田中さんが泣きそうな顔をしている。僕を抱き上げると、テーブルの布やら羽を退かして
「硬いですが、少し我慢して下さい」
そう言って、田中さんのジャケットを下にして僕を横に寝かせた。
そしてネクタイを外し、突然、シャツも脱ぎ出すのでギョッとしていると、そのシャツを僕の身体に掛けてくれた。
田中さんはシャツの下にアンダーウェアを来ていて、鍛えられた身体がアンダーウェア越しに見える。綺麗な身体だなぁ~って思って見ていると、何だか身体の中心が熱くなった。
そういえば、身体が変だったのを忘れていた事を思い出す。
田中さんはバケツに給湯器からお湯を入れ、そっと僕の身体を起して肩にもたれさせると、僕の身体をハンドタオルで拭き始めた。
温かいタオルが、そっと僕の顔を拭う。
唇に田中さんの親指が触れ、心臓が跳ね上がる。
田中さんは何かを察知したのか、眉間に皺を寄せながら僕の顔を綺麗にすると
「一度、タオルを洗います。又、身体を倒しますよ」
そう言って、僕の身体をジャケットに下ろす。
田中さんのジャケットとシャツから、田中さんのコロンの香りがして、もう、心臓が大騒ぎだった。
バシャバシャと洗う音が響き、バケツの水を流す音。そして再びバケツにお湯を張り、田中さんが僕の身体を起してタオルにお湯をたっぷり染み込ませ、洗い流すように身体を拭いている。
「あの…ジャケットとシャツが…」
オロオロして言うと
「洗えば綺麗になります。それより、今はあなたの処置が先です」
そう言って、僕の身体を綺麗にしてくれた。
1番恥ずかしかったのは、自分さえ見た事が無い場所まで綺麗にされてしまった。
嫌がったんだけど、なんの抵抗も無く綺麗にしている田中さんに、僕は情けない気持ちでいっぱいになった。
ただ、身体を拭いて貰う度、忘れた熱が蘇ってしまい、全て綺麗になる頃には、僕の分身は元気に勃ち上がっていた。
隠したいけど、隠せないこの悲しさ。
身体は熱を持って、田中さんに抱かれたい衝動に駆られる。
助けて貰っておきながら、なんて自分はダメな人間なんだと落ち込んでいた。
すると田中さんは冷静に
「赤地さん、大丈夫ですか?」
そう言って、僕の完勃ちした部分を指差すと
「恐らく…媚薬か何かを盛られたんだと思います。」
って言って、僕の完勃ちした部分に手を触れた。
「ちょっ…!」
慌てて顔を上げると、真剣な顔で
「一度、抜きましょう。そうしたら、楽になりますから」
そう言って扱き始めた。
「ダメ…!」
田中さんの肩にもたれた頭を、必死に田中さんの首に擦り付ける。
「汚い…です。ダメ…です」
半泣きになって訴えると
「ですが、このままでは辛くないですか?」
と聞いてくる田中さんの首に額を押し付けて
「辛いです…。でも…、僕がダメな人間だからなので…」
って呟いた。
すると田中さんは僕の両頬を挟み、顔を上げると
「何言ってるんですか!あなたは薬でおかしくされているんです。ダメな人間とか言わないで下さい。良いですか!あなたは被害者なんです!」
そう言って怒られた。
あまりの剣幕に涙が溢れ
「怒らないで…」
って、思わず泣いてしまう。
すると田中さんは困った顔をして、僕をそっと抱き締めると
「怒ってないです、すみません」
そう言って、僕の頭を優しく撫でた。
「取り敢えず、まずは楽になりましょう。あなたは不本意かと思いますが、身体が動かないので、私の手で我慢して下さい」
そう言われて、ゆっくりと優しく触れられて、上下に扱かれる。
「ご自身の時は、どうされていますか?気持ち良い場所とかありますか?」
まるで美容院のシャンプーで「お痒い所はありませんか?」的な感じで聞かれ、何故、この人はこんなに慣れている?と思って、顔を見上げる。
「自分って……何ですか?」
気持ち良くて、上がる呼吸を抑えながら聞くと
「え?自慰行為しませんか?」
って、普通に聞かれる。
僕が赤面して
「そんな事、した事ないですよ!」
そう叫ぶと、田中さんは驚いた顔をして僕を見た。
「何ですか?」
「あ…いや。16歳で自慰行為の経験が無しって…。じゃあ、童貞ですか?」
何故、この人は「サイドメニューはいかがですか?」的な言い方で、デリケートな部分に突っ込んで来るんだ!
僕を扱く手を止めず、変な質問ばかりする田中さんにムッとしていると
「じゃあ、何処が良いか教えて上げます」
そう耳元で甘く囁かれ、先端を指で撫でられて、蜜を吐き出す穴を軽く爪先で刺激された。
「えっ……、いやぁ!」
身体がガクガクと震え、そこから白濁の液体が吹き出した。
初めて射精をしたのが、男性の…しかも助けてもらった人の手とか…有り得ない。
頭がパニックを起していると
「ね、気持ち良いでしょう」
にっこり微笑み言われて、僕は恨みの視線を投げる。でも、身体の疼きは治まらなくて
「おかしいな?1回出しとけば、楽になる筈なんですけど…」
田中さんも首を傾げている。
一度放った事で、身体が快楽を求め始めた。
おかしい、身体が熱い。
田中さんの香りにクラクラする。
「赤地さん?」
荒くなる呼吸に、目の前の田中さんを襲いたくなる。唯一、動く口で、田中さんの首に舌を這わす。どうしよう。この人に抱かれたい。
身体が動かないのがもどかしい。
頭がおかしくなる位、身体が熱い。
田中さんの香りだけで、気が狂いそうになる程に欲情している。
「田中さん…抱いて下さい。辛いです…」
半べそになって呟いた時、田中さんが
「赤地さん、すみません」
そう呟くと、首の後ろに衝撃が起こって意識を手放した。
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