嵐の夜

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少しでも離れるのが嫌で、田中さんの首に抱き着いたまま唇を重ねる。 田中さんはそのまま僕を押し倒して 「すみません。長らく禁欲生活していましたから、手加減出来ないかもしれません…」 そう言うと、僕の返事も待たずに唇を重ねた。 こんな風に求められるのが、幸せだなんて知らなかった。 押し倒された瞬間、寝具から田中さんの香りがふわりと鼻腔を掠める。 何だか田中さんに全身を包まれているような気分になって、僕は我を忘れて田中さんを求めるようにキスを交わす。 絡め合う舌が奏でる湿った音。 触れる田中さんの手はまるで、宝物に触れるかのように優しく温かい。 キスを交わす間、田中さんは僕の身体を抱き締めてくれていた。 重ねた肌の温もりは熱く、お互いを求めている事を知らせる証は熱を持って互いのお腹に触れる。 腰を抱き寄せられ、昂る互いの熱が擦れ合って思わず小さく喘ぐ。 「あっ……」 唇の隙間から漏れた声を飲み込むように、僕の唇を奪う。 まるで、僕の声を空気にさえも聞かせまいとするかのような激しい口付けに我を忘れてしまう。 上顎を舌で撫でられ、背中をぞくぞくとした快感が這い上がって来る。 腰が揺れ、田中さんと自分の熱い熱が擦れ合う。するともっと密着するように、田中さんの腕がキツく僕を抱き寄せた。 田中さんも擦り合わせるように腰を揺らし、唇はお互いを貪るように絡め合う。 僕も田中さんの首にしがみつき、必死に田中さんのキスに応える。 どのくらいキスをしていたのか…。 ゆっくりと唇が離れると、田中さんは頬や瞼にキスを落として僕の頬を両手で挟んだ。 優しく細められた目が僕を見下ろし、額にキスを落とす。 僕は田中さんの首に回した手をゆっくり離し、髪の毛に触れる。 猫っ毛の僕とは違う、硬くて太いサラサラな髪の毛の感触。 身体を重ねる時しか触れる事の出来ない、田中さんのサラサラの髪の毛に触れていた。 初めて田中さんと肌を重ねた日は余裕無くて、田中さんの事に全然気が付かなかった。 田中さんの唇が僕の顎からゆっくりと、首筋を辿って鎖骨から胸元に降りてくる。 その間、田中さんの指は僕の胸の先端を指で撫でて刺激する。 反対側を口に含まれると、僕の身体がピクリと跳ね上がる。 「あっ……」 思わず上がった声に、田中さんは唇を這わした方を軽く歯で甘噛みをしながら、反対側を指で激しく撫でるように刺激をしてからぎゅっとつまみ上げる。 「やぁ……ぁ……」 喉を仰け反らせ、田中さんの頭を掻き抱く。 甘噛みされてから吸われて、激しい快感に身体が震える。 舌で輪郭をなぞるように舐められた後、吸い上げられて声が上がる。 胸だけを刺激されているのに、腰が揺れ動く。 「いやぁ……、そこばっかり……」 首を横に振って抵抗すると、音を立てて唇を離して反対側を口に含む。 「ひぃ……やぁ……」 先程まで舌で刺激していた場所を、指で撫でられて悲鳴が上がる。 全身がガクガクと震え、執拗に刺激される胸元の快楽で視界が涙で霞む。 「あっ……ダメぇ……止めてぇぇ…」 悲鳴に近い声で、田中さんの頭を両手で引き離そうとすると、もっと強く吸われて視界が真っ白になった。 「あっ!……あぁ……っ」 強く吸われて甘噛みされた瞬間、僕の触れられていない筈の熱が解放された。 全身の力が抜けて、僕は放心状態になる。 肩で息をしていると、田中さんの大きな手が僕の頬に優しく触れる。 僕のお腹と田中さんのお腹は、僕の放ったモノで汚れていて、恥ずかしさと情けなさで目に涙が浮かぶ。 すると田中さんは 「すみません。以前、抱いた時に、感度が良いので乳首だけでイケるかもしれないと思いまして…」 困ったように呟く田中さんをギッと睨んで 「だからって…本当にやらないで下さい!」 半泣きしながら叫んだ僕に、田中さんは愛おしそうに目を細めて微笑むと、涙が浮かぶ目尻にキスを落とす。 「すみません…。反応が可愛らしくて、途中で止められませんでした。」 ポカポカと田中さんの胸を軽く叩く僕を抱き締めて、田中さんはそう呟いた。 そして、何事も無かったかのようにティッシュを数枚取ると、僕のお腹と田中さんのお腹を汚しているモノを拭き取っている。 それを見て、僕は益々恥ずかしくなる。 「自分でやります!」 って叫んだけど、ガッチリ田中さんの下に組み敷かれているから動けない。 バタバタ暴れていると 「若いですね~。1度出しただけだと、そんなに元気がまだ残っているんですね…」 と、マジマジと見つめられて言われてしまう。もう、恥ずかし過ぎて顔が熱くなる。 「田中さんは…どうしてそうやって…」 さっきまでの甘いムードは何処へやら。 僕が恥ずかしくて顔を隠すと 「知ってますか?あなたのそういう反応が、男を狂わせるんですよ…」 少し掠れた、囁くような甘い声で耳元に囁かれる。 「あっ…」 その声で囁かれるだけで、僕の身体はゾクリと震える。耳を舐められ、ガサガサと耳を舐める音が僕の鼓膜に響く。 どうして…田中さんの声だけで、こんなに感じてしまうんだろう。 田中さんの唇が、耳から首筋を辿って降りてくる。 「あっ……」 田中さんの大きな手が腰を抱き寄せ、一度放出させて萎えた僕自身に、熱く固くなっている田中さん自身をこすりつけるように腰を揺らす。 甘い痺れがゾクゾクと湧き上がり、無意識に僕も田中さんの腰を固定するかのように、田中さんの腰に足を絡ませて密着させる。 強く抱き締められ、再びキスを交わす。 絡め合う舌の感触、その度に上がる湿った音に羞恥心が湧き上がる。 角度を変えてキスを落とされ、僕は必死に田中さんの背中にしがみつく。 唇が離れ、互いの唾液が糸を引くように伸びてプツリと切れた。 田中さんがそのまま身体を下にずらしたその時、ハッと我に返る。 又、胸を刺激されたら…って考えて、両手で抱き締めるようにして胸元を隠し、身体を軽く捩って抵抗した。 「蒼介さん?」 「む…胸は、もう良いですから…」 さっき散々刺激されて、又、弄られたら…って思うと怖くなった。 すると田中さんはクスっと小さく笑ったようだった。 そして僕の腰を掴むと、身体を反転させて腰を引き寄せる。 そして首筋に舌を這わされ、ゾクゾクと身体が泡立つ。 首筋から背中のラインにキスをされながら、田中さんの手が熱を持ち始めた僕へと手を這わせる。 それは触れるか触れないかの際どい位置で僕の先端を撫で、ゆっくり握ると上下にスライドを始めた。 「あっ……」 チュッと音を立てながら背骨に沿ってキスを落としては、下から上へと舐め上げられて思わず仰け反ると、僕を扱く手を…素早く動かして刺激をする。 「ダメ……ぇ……」 首を横に振って枕に顔を埋めた瞬間、枕から香る田中さんの香りに身体が身震いする。 「あっ……あぁ……」 僕のお尻に当たる固くなった田中さんを求めて、僕の秘孔がひくひくと疼く。 腰が勝手に揺れて 「田中…さ……ん」 扱かれる手の動きと、背中を這う田中さんの舌。そして、枕から香る田中さんの香りに、頭からつま先まで田中さんに包み込まれている感覚になる。 僕の声に、田中さんがゆっくり背中に身体を密着させて後ろから抱き締めると 「どうしました?」 って、掠れた甘い声で囁く。 その声に、僕の身体はガクガクと震えて軽くイッてしまう。 「あっ…んんっ、 ……!」 もう、田中さんが欲しくて、お尻に当たる硬くなった田中さんに、自分の秘孔を押し付けるように腰を上下に揺らす。 田中さんの先端が軽く僕のまだ硬い蕾に触れるだけで、僕は身体の奥が疼いて熱くなる。 「我慢出来ませんか?」 からかうように囁かれると、田中さんがサイドボードの引き出しから何かを取り出している気配を感じた。 そして田中さんは身体を起こすと、僕の腰を引き寄せてお尻に何かを塗り始める。 それが潤滑剤だと分かるのには、それほど時間はかからなかった。 ヌルヌルしたその液体を僕の硬い後孔に円を描くように塗りながらゆっくりと指が差し込まれる。 「あっ……」 田中さんのゴツゴツした指が僕の中に入り、出し入れを繰り返す。 最初はただの違和感しかない行為だけど、指が馴染んで本数が増える頃には、僕の感じる場所を刺激して縦横無尽に僕の中をかき乱す。 「あっ……あん……ぁぁ……っ!」 指の動きに合わせて、僕の腰も淫らに動く。 枕に顔を沈めると、田中さんの香りが鼻腔から僕を犯す。 首を振って 「ダメ……ぇ……おかしく…なるぅ……」 涙を浮かべて叫ぶ僕に、田中さんが臀部にキスをしながら前を強く扱いた。 目の奥がチカチカして、僕は必死に枕にしがみつく。 「ま……待って……」 このままだと、又、1人でイかされると思い、僕は必死に声を絞り出した。 すると田中さんが心配そうに僕の顔を覗き込み 「良くないですか?」 って聞いてくる。 (イヤイヤ!良すぎて困ってるから止めたとか、言えない!) 僕は羞恥に顔を赤らめながら 「僕も……田中さんのを舐めたい……です」 恥ずかしい言葉を言ってるので、益々顔が熱くなる。 すると田中さんは驚いた顔をすると、 「では…蒼介さん。私の顔を跨げますか?」 って言われてしまう。 (そっ…それは俗に言う……シ…シックスナイン……!) 僕が口元に手を当ててパクパクしていると 「無理でしょう?だから、あなたはこのままま……」 そう言いかけた田中さんを、僕は身体を起こして田中さんの膝に座り、キスをしながら田中さんの身体を押し倒した。 田中さんは僕のキスを受け止めながら、胸を両手でキュッとつまみ上げた。 「あぁ!…」 思わず甲高い声を上げて仰け反ると、田中さんの手が背中からゆっくりと降りてくる。 僕は唇を離して、ノロノロと身体の向きを変えた。そして田中さんの顔を跨ぐと、僕の目の前にある田中さんの硬く反り返ったモノにそっと手を添えて、先端にキスを落とす。 その時、背後から 「くっ…」 って、田中さんが息を呑む声が聞こえた。 先端の割れ目に舌を這わせ、ゆっくりと田中さんを口に含む。 亀頭を含んで舌で先端を舐めてから、ゆっくりと竿を上から下へと舐めて行く。 下に並ぶ袋に舌を這わせ、1つずつ口に含んで舐めると 「そ……すけ…」 と呟くと、田中さんが僕の尻臀を掴んで腰がピクっと揺れ動いた。 そして猛る田中さん自身を口に含み、顔を上下に揺らして「ジュブジュブ」と音を立てながら刺激する。喉の奥にオスの匂いがして、 口の中に当たる田中さんの感触にゾクゾクして無心になって咥えていた。 すると田中さんの腕が僕の腰を引き寄せ、後孔に舌を這わせられる。 「はぁっ……」 その刺激に、思わず口の中の田中さんをこぼしてしまう。 指を2本ゆっくりと差し込まれ、その指が僕の後孔を横に広げる。 そして舌を差し込み、指と舌で僕を翻弄し始める。 「あっ……あっ……ん……あっ!」 思わず漏れる喘ぎに、僕は必死に田中さんのモノに舌を這わせる。
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