嵐の夜

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しばらくすると、田中さんが僕の後孔から指を抜いて 「蒼介さん、そろそろ良いですか?」 と声を掛けて来た。 僕が田中さんのモノから口を外すと、田中さんはゆっくりと身体をずらして上半身を起こし、後ろから僕を抱き締めた。 ピッタリと背中を重ね、僕の後孔に田中さんの硬いモノがゆっくりと当てがわれる。 切先の部分がゆっくりと押し当てられて、圧迫感と共に中へと入り込んで来る。 「あっ…あ…っ」 先端の圧迫感に思わず身体が強ばる。 「大丈夫ですか?」 僕を気遣うように、田中さんが僕の左手に田中さんの左手を重ねて囁く。 1番太い部分が入ると、さっきまでの労るような挿入とはうって変わって、一気に中に押し込んできた。 「パン」 っと腰の当たる音に思わず仰け反る。 「はっ……あっ……」 僕の声が合図のように、田中さんがゆっくりと腰を動かす。 「んっ…んっ…んっ…」 声を必死に堪えていると、田中さんの手が僕自身にゆっくりと触れて、上下に扱き始めた。 「やぁ…ぁ……ぁっ…」 前と後ろを刺激され、田中さんの動きに合わせて声が止まらなくなる。 枕を握りしめ、与えられる快楽から必死に意識を引き戻す。 するともう片方の手が、するりと僕の胸に触れて、赤く立ち上がった乳首を指で撫でた後、キュッと摘み上げた。 「あっ…!それ、ダメぇ……」 思わず叫んだ瞬間、強く奥を穿たれた。 「あっ……あぁっ!」 全身が震え、僕は2度目の放出をしてしまっていた。田中さんはガクガクと震える僕の身体を後ろから抱き締めて、首筋にキスを落とす。 ぐったりと力が抜けると、僕の髪の毛にキスを落としながら 「大丈夫ですか?」 って、優しく囁き掛けて来る。 (だから、その声がダメなんだってば!) 逆恨みって分かってるけと、囁かれただけで僕の身体が田中さんを求めて反応する。 「くっ…」 っと小さく田中さんは息を呑み 「何もしていないのに、急に締め付けて来て…どうしたんですか?」 恐らく無防備だったのだろう。 僕の身体が田中さんの声に反応してしまったらしく、田中さんを締め付けてしまったらしい。 苦笑いを浮かべている気配に、顔が熱くなる。 優しく髪の毛を撫でられ、キスを落とされる。 田中さんと一緒に居ると、堪らなく幸せな気持ちになる。 それは泣きたくなる位に幸せで、愛されているんだって…触れ合う度に感じる。 思わず涙ぐんでいると、田中さんがゆっくりと僕から田中さんを引き抜いて身体を正常位の形に戻す。 目元に涙を浮かべる僕に、田中さんが優しく涙を指で拭う。 「辛いですか?此処で止めますか?」 労るような瞳に、僕は首を横に振って田中さんの首に抱き着く。 「大丈夫です。だから…早く…」 誘うように囁くと、田中さんは僕の両足の膝に手を差し入れて、ゆっくりと身体を折り曲げるようにしながら先端を挿入した。 いくら1度は入っていても、元々は排出する場所なので違和感は拭えない。 ゆっくり息を吐いて、切っ先が納まるのをひたすら待つ。 一番太い部分が入ってしまえば、後は楽に入って来る。 ゆっくりと腰を進められ、田中さんの猛るモノが僕の中に入る。 「はぁ…ぁ…」 挿入した安堵に溜息を吐くと、田中さんがゆっくりと腰を動かし始める。 ぴったりと腰をくっ付けた状態で、円を描くように腰を回すように動かされ、声が上がる。 「あっ……深…ぃ……」 奥をグリグリと擦られて、快感がジワジワと湧き上がる。 「んっ……んっ…」 と、上がる声を唇を噛み締めて押し殺す。 すると、少し腰を引いてからゆっくりと腰を進めたかと思うと、切っ先が抜けるんじゃないかと思う程に腰を引き、一気に最奥へと打ち込む。 「あぁっ!」 衝撃に仰け反り、声を上げた瞬間に唇を奪われる。 ズッズッズッと腰を軽く打ち込むと、一気に引き抜いてパンっという音が響く程に強く打ち込まれる。 「あっ…あっ……あぁ!…」 腰の動きに合わせて、僕の声が響く。 1度深く打ち込むと、そのままもっと奥へと打ち込むように腰を深く打ち込まれる。 「あぁ!」 仰け反る喉を吸われながら、もっと奥へとグリグリ腰が円を描いたかと思うと、最奥へとグッグッと深く差し込まれる。 僕は無意識に田中さんの背中に爪を立てて、必死に飛びそうな意識を引き戻す。 いつもの前後運動よりも、今日の田中さんはもっと深い場所へと腰を深く打ち込んでくる。 汗を滴らせ、荒い呼吸をする田中さんを見上げると目が合った。 フッと優しく微笑むと、田中さんが僕の唇にキスをしながら前後運動を激しく始める。 一定のリズムに僕の喘ぎ声が合わせるように、田中さんに塞がれた唇からくぐもって漏れる。 「あっ…あっ…あっ…あっ…」 堪らなくなって、思わず腰を田中さんの動きに合わせて振っていた。 すると、2回、強く田中さんが腰を打ち付けてきて、再び奥へとグッグッと僕の身体を抱き締めて最奥へと腰を進める。
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