最終章 これからもずっと…

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最終章 これからもずっと…

再び目を覚ますと、やっぱりまだ田中さんは隣で眠っている。 僕は横になったまま、ぼんやり昨夜の事を思い出した。 最後、イキまくって失神したんだ…。 恥ずかしくなって、顔が赤くなっているのが自分でもわかる。 両手で頬に触れると、熱くなっている。 「ん…っ」 そんな事を考えていると、田中さんが小さく呻いて目を開ける。 僕と目が合うと、田中さんは僕の頬に触れてふわりと微笑んだ。 「おはようございます」 少し掠れた声が妙に色気があって、ドギマギしてしまう。 「おはようございます」 恥ずかしくて、思わず掛け布団で顔を隠して応えると 「蒼介さん?」 って、田中さんが不思議そうな顔をして僕の背中に手を回して抱き寄せる。 身体が密着して、田中さんの体温にドキドキする。大好きな人の温もりと香りに包まれて、幸せな気持ちで胸がいっぱいになる。 思わず田中さんの胸に顔を埋めると、田中さんの手が優しく僕の髪を撫でてくれている。 その手が本当に優しくて、幸せな気持ちで胸が満たされて行く。 ゆっくり顔を上げて田中さんを見上げると、田中さんが優しい表情で僕を見つめてくれている視線と目が合う。 「やっと顔を見せてくれた」 ふふふって笑って、田中さんが僕の頬に手を当ててキスをしてくれた。 コツンっと額を当てると、鼻と鼻をくっつけて 「失神させるまで求めてしまったので、嫌われてしまったかと思いました」 熱のこもった瞳で言われてしまい、身体の奥が熱くなる。 恥ずかしくなってきて、顔を両手で隠しながら 「あまり見ないで下さい…」 って言うと 「朝から可愛い反応されると、意地悪したくなりますね」 そう言われて、軽々と僕の両手を顔から引き剥がし、頭の上で一纏めにされると、顎を掴まれてキスをされる。 目眩がするくらいに激しいキスに、昨夜の熱を覚えている身体が熱を持ち始める。 唇が離れる頃には完全にスイッチが入ってしまい、田中さんの腰に足を絡めて腰を揺らしてしまう。 唇が離れ 「ぁ…ん…」 思わず漏れた吐息に、田中さんが困ったように笑う。 不思議に思って見上げると 「あなたは本当に…」 そう呟いて、僕の両手を掴んでいた手が離れる。そしてゆっくり僕を抱きしめると 「少しこのままでいさせて下さい」 と、少し掠れた情欲で濡れた声で囁かれる。 僕は自由になった手で、田中さんの背中に手を回して、田中さんの滑らかな肌を確かめるように撫でた。 重なる温もりと、昨日あれだけしたのに…嫌、あれだけ身も心も溶けてしまうような経験をしたからなのかな? 触れ合うお互いの中心が、熱を持ち始めている。田中さんは大きく溜息を吐くと 「そうやって、煽らないで下さい」 と言いながら、ゆっくりと上体を起こした。 そして僕の腰に枕を入れると 「昨日、あなたの意識が飛ぶ程めちゃくちゃに抱いたので、今朝は何もしないつもりでしたが…」 そう言って僕の膝に腕を入れて身体を折り曲げるようにのしかかって来た。 鈍い痛みが腰を襲う。 その痛みに気を取られていた瞬間、熱く猛ける物が後孔に宛てがわれたと思ったら、一気に貫かれた。 「あぁっ…っ!」 昨日の行為で柔らかいとはいえ、受け入れる場所では無いから、何度も受け入れ擦られた場所が鈍く痛む。 「あっ…」 小さく喘いで田中さんの背中に爪を立て仰け反ると、田中さんがゆっくりと腰を動かす。 すると1度冷めた熱がジワジワと這い上がって来て、声が漏れてしまう。 「…ぁっ…ぁっ…ぁっ…」 って、田中さんの動きに合わせて声が上がる。ギシギシとスプリングの軋む音。 田中さんの荒くなる息。 腕を掴まれて引き寄せられ、田中さんの膝の上に乗る形になる。 自分の体重により、より深く田中さんと繋がる。
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