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僕のお父さんはギリシャ神話が好きだ。そう述べると、読者は知的な人を想像するかもしれない。けれども残念ながらエロい話が好きなだけだ。それとオリンポスの神々の存在を信じるくらいだから悪魔の存在も信じている。
で、或る日、お父さんが言うには自分の前に悪魔が現れ、私を悪魔と認めますか?と丁寧に聞いて来たそうだ。
お父さんは悪魔の存在を信じているし、相手が如何にも悪魔らしく黒ずくめの衣装を着て不気味な雰囲気を漂わせていたから認めますと答えたそうだ。そしたら悪魔はそれは結構なことです。それなら私の魔力は十二分にあなたに効果を齎すことでしょう。では、あなたの願いを三つ叶えてあげますから私に魂を売ってくれますか?と聞いて来たそうだ。
お父さんは悪魔の事を或る程度知っているから矢張りそう来るかと思って三つも願いが叶うなら売っても良いですと迂闊にも安請け合いしたそうだ。そしたら悪魔は一つ目の願いは何ですか?と聞いて来たそうだ。
お父さんは待ってましたとばかりに妻を美人にしてくださいと頼んだそうだ。そしたら悪魔は分かりましたと答えるや否や、ぱっと消えてしまったそうだ。
で、お父さんは早速、お母さんを見に行ったらお母さんが物凄い美人になっていたのでびっくり仰天して喜んだそうだ。僕も美人になったお母さんを最初見た時、びっくり仰天して喜んだ。
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