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ハルやキレン達が、お茶の準備をするために家の方へいって、少しのあいだその場には俺とホーリーしかいなくなった。 ホーリーは俺の隣にたたずんでいた。 ホーリーの横顔を見ていたら、今までのことが色々と思い出された。 ホーリーはいつ頃からか青い布の覆面をしなくなっていた。
「ホーリー、今まで本当にありがとう」
「いえ、私はカケル様にお仕えできて幸せでした」
「何か望みはないのかい?」 俺がそう言うと、ホーリーは少し考えてから俺の後ろに回った。 そしてそっと腕を回して俺を抱きしめた。 俺は驚いて後ろを向こうとした。
「だめ、恥ずかしいから。 このまま、少しだけこのまま・・・」 ホーリーはそう言うと額を俺の背中にそっと押し当てた。 俺はそのまま何もできずに、どうしてよいのかも分からずにいた。
「ウ、ウホン。お邪魔でしたか」 声を発したのはユウキだった。 ゲートを使って急に現れたのだった。 ホーリーは慌てて俺の背中から離れた。
「陛下は、お気楽でよろしいですね」
「なんか、ずいぶんトゲのある言い方だな」
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