第28話 ラストステージ

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 正面奥の玉座に座るのは、なんと囚われの女神エルイーザではないか。本来の主であるクラシウスは床に転がされ、既に虫の息となっている。 「こ、これは?」 「クックック。まんまと誘き出されたな。目障りな勇者の末裔よ」 「何ぃ!?」 「アタシが囚われの身を演じた理由は2つ! 兄と弟に近づきその力を奪うこと、そしてニンゲンの英雄を炙り出して始末する事よ!」 「何ぃ!?」 「見るが良い。偉大なる最強神の力を! この世の街すべてをブッ壊してやる!」 「や、やめろぉーー!」  ドォーーン。ドドドォーーン。そう口で効果音を発したのはクラシウスだ。 「クックック。これでお前が守るべき物は何も無くなったな、哀れなもんだ」 「チクショウ、許さねぇーー!」  ドドドド、シュババッ、バキィッ!  ズシャア……。 「馬鹿な、このアタシが……。最強神たるアタシがぁぁーー!」  一瞬のうちに撃破されたエルイーザが霞の向こうへと消えた。リーディスはついに勝利を収めたのである。 「やった。とうとう邪神を倒したぞ」 「やりましたね、リーディス」 「さぁ早く戻りましょう。凱旋ですよ勇者様」 「でもさ、もう帰る所もないし」 「よくぞ敵を倒した、見事である!」 「だ、誰だ!?」  玉座の裏からヒョッコリ顔を見せたのはクロウダ、もとい王様であった。彼は姿を表すなり、空になった玉座に腰を降ろした。 「こんな事もあろうかと、ずっと潜んでいたのよ」 「さすがは王様!」 「皆の衆、その働きや誠に大儀であった。実にあっぱれであるぞ!」 こうして リーディス達の冒険は終わった その道の途上は 決して平坦ではなく 払った犠牲も大きなものだった だが彼らは傷つき、打ちひしがれる度に 際限なく強くなる 王国の未来は 一点の曇も無い程に輝いていた まるで燦々と輝く太陽のように ◆ ◆ ◆  どうにかして本編も終わりを迎える事が出来た。果たしてリーディス達の決断は正しかったのか。プレイヤーを満足させるだけのコンテンツであったのか。答えは分からない。  今となってはスタッフロールに画面を委ね、舞台袖の裏側で祈るしか無かった。  
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