第100首: 杏

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第100首: 杏

秋の陽のためらいがちな微笑みは 紅く色づく恋の暗示か 99e07038-2e8c-44a0-8a6d-bc4d44a6fa08 <解説>  10月2日の誕生花のひとつ、アンズ。  バラ科サクラ属の落葉小高木です。  漢字なら「杏」とか「杏子」と書かれます。  別名としては古名でもある「唐桃(からもも)」でしょうか。杏と書いて「からもも」と読ませるパターンもありますね。  中国が原産ですが、日本に渡来したのは平安時代。  日本現存最古の薬物辞典(本草書)である『本草和名』(918年)にはすでに漢字を「杏子」、和名「カラモモ」とした表記があるのだとか。  なにより、おいしいですよね。  果実は生食のほか、あんず飴、ジャム、シロップ漬け、ドライフルーツ、杏仁豆腐などに利用されますし、お酒ではワインやアーモンドのような香りのリキュール(アマレット)にも使用されています。  種子は、生薬名で杏仁(きょうにん)といい、鎮咳、去痰、嘔吐に用いるほか、麻黄湯、麻杏甘石湯、杏蘇散などの漢方処方に用いられます。  有用な子です。  そんなアンズ、花言葉は「臆病な愛」、「乙女のはにかみ」、「疑い」、「疑惑」。  意外と後ろ向きなモノが多いのは、サクラよりも一足早く、はにかむように花を咲かせることに由来するのだとか。  アンズは10月2日の他にも、2月23日、3月1日、4月12日の誕生花にもなっていて、基本は春の花ですが、今回は果実寄りにしています。
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