1.まずは自己紹介

1/1
前へ
/7ページ
次へ

1.まずは自己紹介

どうも、乙女ゲームの中の人です。 主人公の「親友」というポジションをやっています。 モブじゃないので、もちろん名前あります。 鈴木 (あおい)。 フルネームね。モブじゃないので。 大事なことなので二回──っていうのは、もう古いのかな? まだ使う? 雅也ルートのライターはときどき使ってるんだけど。まあ、いいか。 苗字が「鈴木」なあたり、それほど個性の強くない親友って感じ。 個性が強いと「白鳥」とか「道明寺」とかになるらしいんだよね。 その点、私は「鈴木」なんで、主人公より目立つことは十中八九ないってわけ。まあ、主人公からしたら都合のいい「親友」ですわ。 ……あ、次のイベスト、もうあがってきたの? 今回の担当ライター、書くの早いね。 で、私の出演は── ──プロローグの1シーンのみ? はぁ… いえ、了解、了解。わかってますって。 メインは、主人公と彼の「夏のバカンス」だもんね。 しょせん親友なんて賑やかしっすよ。 それじゃ、ひとまず仕事してきまーす。    ■□■□■□ 7月リリース予定:イベントストーリー 「彼とイっちゃう★真夏のキラキラバカンス」より一部抜粋 ○背景:水着売り場 私「見て見て、主人公! この水着、超かわいくない?」 主人公「え、でも派手すぎないかな」 主人公「それに、その……布地が少ないっていうか……」 私「そんなことないって! これくらいふつうだよ」 私「それに『彼』も絶対喜んでくれるって!」 主人公「……そうかなぁ」 私「そうだよ。だから買っちゃいな、絶対似合うって」 主人公「うーん……」 ブルル… 主人公「あ、ごめん。電話……」 (えっ、「彼」から?) あなたに電話をかけてきたのは──?    ■□■□■□ ──はーい、今回の私の出演、終了。 このあと、主人公は選択肢で選んだ「彼」とバカンスだからね。 ただの「親友」は同行できないわけですよ。 まあ、当然だよね、「ふたりきり」がおいしいイベントだし。 なので、今回の私の出演は「プロローグ」にて終了。 ──でも、気づいてた? 少ない登場シーンながらも、私が重要な役割を担ってたってこと。 どこって?  決まってるじゃん。水着、水着! 私、主人公に「新しい水着」をすすめてたよね? あれ、フラグだから。 このあと、絶対誰かのルートで「水着」イベントが発生するはずだから! というのも、うちの主人公、ちょっと奥手キャラって設定なんだよね。 だから「大胆な水着」を主人公が選ぶのNGだったりするわけで、でもそういうのを着せないと、まあ、盛りあがらないわけですよ。 夏なのに! せっかくのバカンスなのに! だから「親友の私」が勧めて、彼女に買わせるってわけ。 いやぁ、面倒くさいよねー。 エロい水着くらい自分で……いやいや、今のは聞かなかったことに。 まあ、そんなわけで今回は出演シーンが少なかったので、次のイベストまで試食販売のバイトでもしてこようと思いまーす。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加